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【韓国ドラマ】『応答せよ1988(응답하라1988)』(2015) 徹底解説 第1話「手に手を取って」

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こんにちは!HanFilmです🌸

 

今回紹介するのはドラマ

 

『恋のスケッチ〜応答せよ1988〜』

(原題:응답하라1988)

 

 

 
 
 
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(引用: ヘリ公式インスタグラム)

 

不動の人気を誇るドラマ『応答せよ』シリーズ、最後に制作された『応答せよ1988』を徹底解説します!

 

これを読めば10倍面白くなります!!

私自身、一度目に見たときに気づかなかったこともあったり、社会的背景を知ると見えてくる深みがあるので、ぜひ記事を見てからドラマを見直してみてください😁

 

元々韓国の本放送では20話で構成された放送回数ですが、日本のNetflix配信では4、50分ごとに分けられ、なんと42話編成になっています。

 

元々1話の尺が長いので仕方ないですが…。

というかファンからすると「もっと見たい!!!」(笑)

 

そこで今回は、日本のNetflixの形式で1、2話で1話分として徹底解説していきます!

 

キャスト紹介はこちら↓

www.han-film.com

 

全話レビューリンク 

恋のスケッチ〜応答せよ1988〜第2話

恋のスケッチ〜応答せよ1988〜第3話

恋のスケッチ〜応答せよ1988〜第4話

恋のスケッチ〜応答せよ1988〜第5話

恋のスケッチ〜応答せよ1988〜第6話

恋のスケッチ〜応答せよ1988〜第7話

恋のスケッチ〜応答せよ1988〜第8話

恋のスケッチ〜応答せよ1988〜第9話

恋のスケッチ〜応答せよ1988〜第10話

恋のスケッチ〜応答せよ1988〜第11話

恋のスケッチ〜応答せよ1988〜第12話

恋のスケッチ〜応答せよ1988〜第13話

恋のスケッチ〜応答せよ1988〜第14話

恋のスケッチ〜応答せよ1988〜第15話

恋のスケッチ〜応答せよ1988〜第16話

恋のスケッチ〜応答せよ1988〜第17話

恋のスケッチ〜応答せよ1988〜第18話

恋のスケッチ〜応答せよ1988〜第19話

恋のスケッチ〜応答せよ1988〜第20話

 

第1話「手に手を取って(손에 손잡고)」 

 

「スマホが無かった時は、どうやって遊んでいたっけ?」

「休みの日何をして過ごしていたんだっけ?」

 

と、思い出せないほどにデジタル化した現代。そんな今だからこそ見たくなる、懐かしく暖かいドラマです。

1988年

物語は、80年代を象徴するもので溢れたテク(パク・ボゴム)の部屋から始まります。

ブラウン管テレビ

今やリバイバル「レトロ」のくくりとしてMVなどに登場する以外見かけなくなったブラウン管テレビです。 

ホドリ

オリンピックの虎のキャラクター、ホドリ。2018年の冬季平昌オリンピックのキャラクター、スホランが思い出されます。1988年当時のマスコットも、2018年と同じクマと虎だったことは必然でしょう。

赤ちゃんの人形

その名も못난이인형(モンナンニ人形)、つまり「ブサイク人形」です。名前(笑) 1970年代から1980年代にかけてヒットした人形です。

 

実はこの商品、日本の玩具メーカーIwai社製!当時韓国にはこのようなプラスチック製の人形があまり無かったためにヒットしたと言われています。

 

こちらの人形、実は主人公たちを表している隠れキャラなんです。彼らの関係が表された配置に注目です。

MBC青龍(청룡)の野球ボール

1982年に創立されたプロ野球球団です。現在のLGツインズの前身として、1989年まで存在しました。

 

 
 
 
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(引用:LGツインズ公式インスタグラム)

えびせん

日本のかっぱえびせんをもとに1971年から作られた새우깡(セウッカン)、今でも根強い人気があります。

 

ファミコンVHSは日本人でも懐かしいですよね!

横丁の暮らし

1988年のソウルオリンピックを契機に、経済復興期に突入した韓国。80年代の少年少女の住む町の舞台は、ソウル北東部にある道峰(トボン)区双門洞(サンムンドン)です。

 

今でこそ、高層マンションの立ち並ぶソウルの街ですが、80年代には골목(コルモク)、つまり横丁(路地)での暮らしが主流でした。

 

家の造りは洋風で、韓国の伝統的な韓屋と近代的マンションの中間のような存在でした。

 

차도남(차가운 도시의 남자)つまり、都会の冷たくクールな男という意味の、新造語がありますが、本作では現代の、都会=冷たいというイメージとは違うソウルの生活が描かれます。

 

天才囲碁棋士テクの家をたまり場にする主人公たち。夕方になると

「밥 먹어라!(ご飯よ!)」

と、それぞれの家から母の声が聞こえてきます。

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調味料を隣人から借りるという文化は、平成以前の日本でもよく見られた光景ですね。終わらない物々交換に、家を右往左往する主人公たち。近所付き合いの温かさがにじみ出ています。

ソウルオリンピック

蚕室(チャムシル)にある、ソウルオリンピック主競技場、現在ではコンサートなどにも多く使用されることでお馴染みの建造物ですよね。オリンピック公園は、広々としてこちらも人気スポットです。

 

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オリンピック入場行進でプラカード隊に選出されたドクソン(ヘリ)は、マダガスカルのプラカードガールとして練習に勤しみます。

 

しかし、直前でマダガスカルのボイコットが発表されるのです。そもそも、ソウルオリンピックは、北朝鮮との共同開催が囁かれていましたが、1983年ラングーン事件や、オリンピック前年に起きた、大韓航空機爆破事件などがあり、結局北朝鮮は参加しませんでした。

 

そして、北朝鮮と親密関係にあったマダガスカルなどの国も、共同開催の提案を拒否した韓国への抗議として、不参加となったのでした。

 

また、陸上100mでのベン・ジョンソンドーピング問題などの不正もあり、劇中でも取り上げられていました。

 

ソ連が優勝し、東ドイツが2位というのを見て時代を感じました。焼死した鳩を持ち帰ったドクソン。何気ないこのシーンですが、聖火台への点火によって鳩が死んだと、当時問題になった出来事を表しています。

 

テレビに映っていた聖火ランナーイム・チュネは、中距離の陸上選手で、ジョンボン(アン・ジェホン)の説明の通り「ラーメン少女」として有名な、当時を象徴する人物です。

学生運動

ドクソンの姉ボラ(リュ・ヘヨン)。彼女は、サイコな姉としての強烈な印象が強いものの、勉強に勤しむ名門ソウル大生です。そして、熱心に打ち込むものがもう一つ、学生運動です。劇中でも度々、デモに参加しては家族に心配される、政治に関心のある若者として描かれます。

 

日本では、政治に関心があることは、若者の間では珍しいとさえ言われますが、民主化運動や、学生運動の歴史の長い韓国では、政治に関心を持つことは、あまりに当然のことだと言えます。

 

ドクソンと口喧嘩したボラは「3S政策に賛成するつもり?」などと罵ります。3S政策とは、愚民政策と言われ、スクリーン(映画)、スポーツ、セックス(性産業)などによって、人々の関心を政治からそらすという意図で行われたものです。韓国だけでなく世界中で行われてきた政策です。

文化

今のように炊飯器などの電化製品が普及していない80年代。でご飯を炊き、布団で保温するという風景がドクソンの家で見られます。

 

ジョンファン(リュ・ジュンヨル)の家では、父親が最初にご飯を食べ始めるという家父長制的な部分が見られます。現代では、そこまで徹底しているかわかりませんが、フェミニズムという言葉が全く浸透していないこの時代、それは当然のことでした。

ギャグ

ジョンファンの父、ソンギュンは登場するたびに、当時流行していたギャグを披露して、場をしらけさせます。

 

「これはキム社長!」

「おやソン社長!」

「会えて嬉しいよ~」

 

これは1983年からKBS2で放送されていたお笑い番組「ユーモア一番地(유머 일번지)」の中の、「북청물장수」というコーナーで生まれたギャグです。

 

「失礼します~」(실례실례합니다~)という言葉から始まる歌は、同番組の別のコーナー「부채도사」から生まれたギャグです。

 

韓国は日本と比べてお笑い番組が少ないイメージがあります。しかし、SNLコリアなど、シットコムの中で、ギャグとしての流行語が誕生するパターンが多いです。そういう流れは昔から変わらないのかもしれませんね。 

学校

韓国で男女共学が進んだのは、1980年代以降と言われています。劇中ではそれぞれ男子校、女子校に通っています。

 

通学バッグからチラッと見える「Man to man  総合英語」の文字。当時よく使われた英語の教科書です。総合英語と漢字で表記されているのが特徴的ですね。また、テクの父が営むポンファン堂の窓にも漢字が書かれ、時代を感じます。

母親たち

ある時は、家の前で食事の準備をしながら井戸端会議をし、またある時は、パーマ液を付けた髪のまま、揃ってマンドゥ(餃子)を仕込む母親たち。

 

「井戸端会議」という言葉が古くから日本で広く使われているように、家事の時間を共有する文化が、主婦たちの重要なコミュニケーションの場としてここにも存在します。

ファッション

学校でジョンファンたちが着ていた豹柄のシャツ。こちらは교련복(教練服)と呼ばれ、当時、軍事訓練の授業が行われる際に着用されていたものです。

 

ドンリョン(イ・ドンフィ)が着ていたタートルネックがありますね。制服の下にタートルネックというファッションが流行っていました。

 

 
 
 
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(引用: luckyrich_jin インスタグラム)

 

サッカーの試合でシャツを脱いだときに見えた、鎖骨から上だけのタートルネックという、よだれかけのような衝撃的な姿には、思わず吹き出しました。

 

これは공갈티(コンガルティ)と呼ばれ、タートルネックを重ね着するのは暑いけどおしゃれしたい!という想いから生まれたアイディア商品です。ちょっと面白いですよね。タートルネック姿が印象的だった、ドンリョンのトレードマークにもなりました。

 

ジョンファンの履くNikeの真っ白なスニーカー、NikeAirforce 1 Lowは、シンプルなデザインでいまだに人気があります。しかし、下校途中に不良に奪われてしまいますね。

 

 
 
 
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(引用: NikeSneakersインスタグラム)

 

Nikeは1986年に韓国市場に参入しました。映画『サニー 永遠の仲間たち』でも、80年代からNikeのバッグが流行していたことがわかります。

人間模様

ジョンファンの家

ジョンファンが不良に絡まれたと知らないミランは、そのことをソニョンから聞きます。さらにテストがあったことも知らなかったミランは、息子のことを何も知らないと悩むのです。

 

悩み抜いた末に「息子のことを知りたいのよ。大事なことがあったら全部じゃなくていいから話してちょうだい。」と言葉にします。この世代の子供との愛情表現は、どうしても不器用になってしまいがちですよね。

ソヌの家

あごに絆創膏を貼っているのに、理由を言おうとしない息子ソヌ(コ・ギョンピョ)を、ソニョンが問い詰めると、髭を剃るときにあごを切ったと言います。

 

父親がいないからだと思いつめるソニョン。そんなことはない、と優しく言うソヌでした。

 

本作ではシングルファザー(ムソン)とシングルマザー(ソニョン)の片親世帯が、それぞれ描かれます。当時、その背景は離婚よりも死別が主な要因でした。

ドクソンの家

中間子であることでいつも我慢しなければならないドクソン。子供ながらに葛藤し、思いが爆発してしまいます。そんなドクソンのためだけに、誕生日ケーキを買ってくれた父ドンイル

 

「生まれた時から父親ではないから必死なんだ。多目に見てくれ。」と優しく言います。

 

感動的…と思いましたが、その直後、寝静まった家で練炭中毒になりかけるドクソン(⁉︎) 姉ボラと弟ノウルは両親に助け出されたのに、取り残され自力で這って逃げるドクソン。そりゃないよ…って思いますよね(笑)

 

2015年のドクソンはインタビューで「あの町でずっと練炭ガスを吸ってたので、おかしくなっちゃったんです」と冗談まじりに話します。

 

80年代まではオンドルなどにも練炭が欠かせなかった彼らの生活ですが、一酸化炭素中毒が多発し、現代では温水床暖房が主流になっています。

 

互いの人生を共にする横丁の人々。たとえ理解することはできなくても、寄り添う家族の姿が温かい初回でした。

 

次回もお楽しみに!😁

 

 

第2話はこちら↓

www.han-film.com