こんにちは！HanFilmです🌸
今回紹介するのはドラマ
『恋のスケッチ〜応答せよ1988〜』
(原題:응답하라1988)
10倍楽しめる徹底解説、第3話です！
第2話はこちら↓
第3話「有銭無罪、無銭有罪(유전무죄 무전유죄)」
ゆうべの話
当時の大ヒットナンバー、소방차(ソバンチャ)の어젯밤 이야기(ゆうべの話)から始まる第3話。ソバンチャ(消防車)は、1987年結成の韓国初のアイドルグループです。
日本の少年隊に酷似していると批判もされましたが、アクロバティックなダンスとハイテンポな明るい曲調で、大流行しました。
[1988] 소방차 - 어젯밤 이야기 (응답하라 1988 삽입곡)
最近では歌手IUが어젯밤 이야기(ゆうべの話)をアレンジしてカバーしているので、聞いたことのある方もいるかもしれません。
ドクソンの友人役
チャン・ミオク役 イ・ミンジ(이민지)
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(引用: イ・ミンジ公式インスタグラム)
1988年生まれ。
出演作品
ドラマ
『100日の郎君様』、『町の弁護士チョ・ドゥルホ2』、『サイコパスダイアリー』他。
映画
『私のオオカミ少年』、『Safe』、『コインロッカーの女』、『死体が消えた夜』他。
ワン・ジャヒョン役 イ・セヨン(이세영)
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(引用: イ・セヨン インスタグラム)
1989年生まれ。
出演作品
ドラマ
『九厄少年』、『私の婿の女』、『サウンド・オブ・ハート』他。
バラエティー
『ギャグ共和国』、『SNLコリア』他。
放送事故
当時、韓国のテレビ史上、大きな放送事故として話題を呼んだのがMBCニュースデスクでの出来事でした。ドクソンの家で家族が、その放送を見るシーンが出てきます。
スタジオに乱入した一般人(精神病患者と思われる)が、「耳に盗聴器が」と叫ぶ姿がオンエアされました。
脱獄事件
この年、ソウルでは「チ・ガンホン事件」が発生します。本作の第3話タイトルともなっている「有銭無罪、無銭有罪(유전무죄 무전유죄)」という言葉、この時の犯人が叫んだ言葉として、世間でも広く知られるようになった言葉です。
移送中に脱走し、ソウルの民家に立てこもり、9日間の逃亡の末に捕まった事件です。犯人の主張はまさに時代、そして韓国社会を象徴する言葉でした。
2006年には、この事件を元にした映画『ホリデー』が公開されました。
貧乏人は普通に罰せられるのに、権力や富のある者はすぐに釈放されたり、減刑されたりという不条理な現実は、いまだに蔓延っていますね。
持つ者と持たざる者
ドンイルは無駄遣いを怒られ、ミランはソンギュンにケチるなと怒ります。
化粧品を最後の最後まで使い切るイルファと、高級化粧品を塗りたくるミラン。
いつも帰り道に何か買ってくるドンイルと、ヨレヨレのタンクトップを着続けるソンギュン。対照的な家族の姿が描かれます。
半地下の暮らし
映画『パラサイト』によって全世界に知れ渡った韓国の半地下という存在。
南北関係が緊張状態にあった時代、パク・チョンヒ政権下での、建築法の改定により、防空壕としての「半地下」の設置が義務付けられたのです。
1989年から緩和されたこの法律ですが、映画『パラサイト』でも描かれた通り、現在でも韓国の街には多くの半地下が存在しています。
歌謡TOP10
ドンリョンの踊る曲、パク・ナムジョンの歌う「愛の不時着」です。タイトルを見て、おっ！と思った方もいると思いますが、今年一大ブームとなっているドラマ『愛の不時着』とは、全く関係がないと、監督がインタビューで発言しています。
こちらの曲、当時KBS2で放送されていた音楽番組「歌謡TOP10」で、ゴールデンカップを受賞した名曲です。この賞を最初に獲得したのは大物歌手チョ・ヨンピルでした。
チョ・ヨンピルは、10週連続1位という記録を打ち立てました。それを機に、5週連続一位を獲った歌手は、「ゴールデンカップ」というトロフィーを授与され、名誉卒業する制度が取り入れられました。
慶州(キョンジュ)への修学旅行
学校に通っていないテク。修学旅行に行く皆を羨ましがります。テクはというと、囲碁の試合で東京に行くと言います。東京の発音が現在の도교(トキョ)ではなく、漢字表記の동경(トンギョン)ですね。
両親に高いカメラを借りるドクソン。修学旅行といえば、日本人は「写ルンです」を思い出しますね！枚数が限られている分、特別に感じたあの感覚、懐かしいです。
慶州へ修学旅行に向かうドクソンたち。道中の電車で出てくるラジカセ、こちらもGold Star製です。
完全にフラグでしたが、案の定カメラをなくしたドクソン(笑) カメラの行き着いた先は、釜山でした。駅の看板表記がBusanではなくPusanでしたね！2000年まではPusanという表記が使われていました。
パニックのドクソンは家に電話をかけてもらいます。怒られると思ったドクソンでしたが、予想に反して優しい口調の母。どんなに大変でもため込んでしまうイルファが不憫で仕方ないです。
屋台喫茶(일일찻집)
ノウルが屋台喫茶(일일찻집)をしていたと学校に呼び出されるドンイル。일일찻집(イリルチャッチプ)とは、喫茶店を間借りして大学生などが営業することを指します。
劇中では、彼女とのデート代稼ぎと言っていましたが、一般的にはチャリティーやイベントの資金調達として利用されていました。
アメリカーノ好きな人が多く、カフェ文化の根付いた現代の韓国ですが、80年代にはまだ現在ほどは普及していませんでした。
学校に呼び出された帰り、息子が友人に「半地下」と呼ばれているのを知ったドンイル。特に気にしていない様子のノウルですが、ドンイルには切ない瞬間です。
歴史ある慶州
韓国では10月に修学旅行シーズンを迎え、歴史的風景の数多く残る慶州(キョンジュ)は、定番の旅行先となっています。
첨성대(瞻星台)
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(引用: 慶州市庁観光コンベンション課インスタグラム)
劇中でドクソンたちが集合写真を撮る、巨大な煙突のような建造物、첨성대(チョムソンデ)、日本語で瞻星台(せんせいだい)は、天文台遺跡と言われていますが、真相は今も謎のままです。夜間はカラフルにライトアップされるようです。
안압지(雁鴨池)
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(引用: 慶州市庁観光コンベンション課インスタグラム)
「月池(ウォルチ)」と呼ばれる、新羅時代に作られた最大の人工池で、水の上に浮かび上がる故宮が幻想的で美しい観光名所です。
劇中では、ここの駐車場でドクソンは、ジョンファンにウイスキーを隠し持っておけと押し付けられます。
ホテルから抜け出そうと、塀から落ちて骨折したドクソンの友人たち。彼女たちの代わりに、ドンファンに皆で隠し芸大会に出てくれと頼むドクソンでした。
カメオ出演
ドクソンとドンリョンが話すのは김수로왕매점(キム・スロ王売店)の前。ドクソンはジョンファンに持たされたウイスキー(SomethingSpecial)をすっかり忘れて、行ってしまいました。ちゃっかりそれをもらったのは店の主人、キム・スロでした(笑)
ちなみにここで出てくるSomething Specialという銘柄は、スコットランドのヒル・トムソン社のウイスキーで、英国王室ご用達のブランドです。韓国国内では1986年に販売が開始されました。
キム・スロ(김수로)
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(引用: キム・スロ公式インスタグラム)
1970年生まれ。
出演作品
ドラマ
『紳士の品格』、『ドラゴン桜』、『帰ってきてダーリン!』、『私たちが出会った奇跡』、『僕を溶かしてくれ』他。
映画
『シュリ』、『クイズ王』、『トゥー・カップス』、『僕の彼女を紹介します』、『国家代表⁉︎』、『コ死2』、『マイウェイ』、『神と共に』他。
マイマイ
ジョンファン、ソヌ、ドンリョンのおかげで、まんまと隠し芸大会の景品だったポータブルカセット、マイマイを手にしたドクソンでした。マイマイは、ウォークマンのように持ち歩けるアイテムとして、音楽ブームの波とともに普及しました。
韓国国内のポータブルカセットとしては、LG電子の「アハ」、デウ電子(現위니아대우)の「ヨヨ」、そして「マイマイ」が主流でした。
カメラを電車に忘れたり、女子校の隠し芸大会に出たり、隠れて酒を持ち込もうとしたり、指導教諭に追いかけられたり、踏んだり蹴ったりなイベント、その若さのすべてがうらやましくて仕方がないですね！
富と貧困
実はドクソンたちの上の家も、3年前までは同じように貧しかったのです。奇跡的にジョンボンが、オリンピック宝くじに大当たりし、1億ウォンを得たのでした。
いわゆる成金と呼ばれる彼らですが、以前の話で5000万ウォンでアパートを買えると言っていましたよね。現在の価値だと10億円ほどなので、単純計算で20億円当てたということになります…！！
横丁内の貧富の差があらわになった第3話、いかがでしたか？
次回第4話もお楽しみに！！
第4話はこちら↓
