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【韓国ドラマ】『ザ・グローリー〜輝かしき復讐〜』(2023)パート2レビュー後半


こんにちは!HanFilmです🌸

 

今回は『ザ・グローリー〜輝かしき復讐〜』パート2レビュー後半です。ネタバレも含みますので、ぜひ本編を見てからご覧ください☺️

 

(引用: NetflixKorea公式インスタグラム)

 

前半はこちら↓

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キーワード

色弱

画面に映った赤リンゴと青リンゴの色の違いが判別できずパソコンを投げ捨ててしまうイェスル

 

シーズン1から何度も出てきた色弱の表現。信号ヨンジンの靴の色など、イェスルが判別できないものが登場し、他人と見える世界が少し違うことに気づいていました。そしてそれは、ジェジュンからの遺伝だと考えられます。ジェジュンイェスル実父であることを強調するため、そしてメタファーとしての役割もあるため、そのような設定を用いたと思われます。

 

一部では差別を助長するなどの声もありましたが、チョン・ジェジュンというキャラクターの性格と周辺を考えれば、その事実が知られることが彼にとって大きな弱点となることも推測できます。

 

(引用: パク・ソンフン公式インスタグラム)

廃墟

내내 아름답던 벽도 없이 드디어 폐허에 섰네 박연진. 황량할 거야, 캄캄할 거야 환영해 연진아

「ついに廃墟に立ったね、パク・ヨンジン。荒涼とした真っ暗な世界よ」

 

판은 내가 깔았지만 폐허는 스스로들 만들었고 100프로는 선배가 해줬어요. 비로소 완벽해줬죠

「設計はしたけど廃墟は彼ら自身が作り先輩が100%にしてくれた。そうしてようやく完璧に」

 

本編で何度となく登場する「廃墟」という言葉。ソヒが屋上から落ちて死んだあの廃墟。復讐そのもの。孤立。残された清算すべき過去。さまざまな解釈が可能ですが、確実なことは、そこに加害者全員を立たせるべきということ。

 

そしてセリフにもあるように、ドンウンが設計したものの、それを作り上げるのは彼ら自身。お膳立てさえしてあげれば、自ら破滅に向かい突き進んでいくのが加害者5人であることをドンウンはよく知っているのです。

 

(引用: チャ・ジュヨン インスタグラム)

 

ちなみに、学生時代のドンウンの夢は建築家であり、比喩としてではありますが夢が叶ったという皮肉ともとれます。

赤い口紅

ドンウンヒョンナムに贈った赤い口紅

NetflixKoreaの公式インスタグラムでは、TMIとしてこう書かれていました。

 

현남에게 빨간 립스틱은 흑백만 있는 그녀의 삶에 처음으로 들어온 색깔이다

ヒョンナムにとって赤い口紅は、白か黒しかない彼女の人生に初めて入ってきた色だ

 

ドンウンという救いは、ヒョンナムの色のない人生を切り拓く希望でした。

 

(引用: NetflixKorea公式インスタグラム)

ヘアアイロン

物理的にドンウンギョンランを痛めつけた道具であるヘアアイロンですが、復讐の最中にもドンウンヨンジンはこの言葉を多用します。

 

ドンウンにとっての痛みの根源・脅威(=ヘアアイロン)母親でした。ドンウンの心に深い傷を残した母親との再会は、彼女の平常心を揺さぶるには十分でした。

 

(引用: NetflixKorea公式インスタグラム)

 

ヘアアイロンのは消えることがなく、それ以上に彼女たちの心に焼きついた傷は癒えることがありません。

希望

救いのないように思えるドンウンの人生ですが、それでも彼女の人生には希望がいくつかありました。

 

まず、カン・ヒョンナムとの出会い。それはまるで、また別の地獄とのつながりのようですが、ヒョンナムソナの存在はドンウンに希望ある未来を見せもしました。ヒョンナムとの会話で溢れるドンウンの笑みは心からのものでした。

 

そして、救いの連鎖によりソウル チュ病院で保管されることになったユン・ソヒ。彼女のための復讐でもあったドンウンの復讐。孤立したドンウンでしたが、ソヒのためでもあるという使命感が大きな意味を持ったようでした。

 

(引用: イ・ソイ インスタグラム)

 

さらに、ドンウンの住むヴィラのオーナーであるおばあさんドンウンを知っているようだった彼女の正体がパート2で明かされました。

 

あの頃、ドンウンが銭湯で働いていた時に出会ったおばあさんであり、ドンウンは海に入って死のうとした彼女を救った命の恩人でした。

 

「春に死のう」と言ったおばあさんの、その言葉が「春に咲こう」という意味だったと気づいたのだとドンウンは手紙に綴ります。

ヨンジンの孤立

ドヨン

ドンウンいわく、「ヨンジン栄光」であるドヨン。彼にはヨンジン廃墟であってほしいと願います。

 

ヨンジンの浮気、そしてドンウンへの暴力の数々を知ってもなお、ヨンジンと別れないと言うドヨン。しかし結局ヨンジンは自ら廃墟を完成させていくのでした。

 

ドンウンが最後のチャンスをヨンジンに与えた理由だという、「ドンウンの家の玄関にあったドヨン礼儀」とは、土足で上がらなかったという事実でした。いわばあの部屋は、ドンウンの心の中とも言えるもの。そこへハイヒールで躊躇なく侵入したヨンジンに対し、ドヨンは靴を脱いで入っていきました。

 

(引用: チョン・ソンイル インスタグラム)

 

彼は、ドンウンの知らぬ間に、ソヒの安置料を納めていましたし、ヨジョンとの対話の際にも、「ドンウンの幸せを願っている」と言いました。彼の倫理観もまた独特です。権力もあり、どちらかと言うと冷徹な悪人のようでありながら、娘であるイェスルを心から愛し、ドンウンの受けた暴力を知って顔をしかめる。

 

加害者5人や彼らの肉親と違い、露骨に感情をあらわにすることはほとんどなく、最後まで白と出るか黒と出るか、推測できない人物として、不思議な魅力を放っていました。

イェスル

ヨンジン学校暴力の加害者という事実が知れ渡った後、学校でも仲間外れにされ傷つき、全てを知ったイェスルヨンジンの人生の成功の象徴でもあったイェスル「もう自慢のママじゃない」と言われたヨンジンは、娘の気持ちさえも自身を離れてしまったことに、相当なショックを受けます。

 

(引用: NetflixKorea公式インスタグラム)

母親

ユン・ソヒの死と娘との関連の事実を揉み消すため、警察官である友人シン・ヨンジュンと結託して証拠隠滅を図ったヨンジンの母。よく考えると、それはヨンジンのためではなく自身の保身のためであったと思わざるを得ません。

 

ソヒを殺した証拠となると思われていたヨンジン名札を、自身の起こした故意のひき逃げ事故を揉み消すための材料として、あっさりドンウンに渡すのです。その名札に証拠能力はないドンウンは知っていました。そうして、母親に捨てられたことをヨンジンに見せることが真の目的でした。

ジェジュン

あの頃、ヨンジンのアリバイ作りを手伝ったジェジュンでしたが、自身の子を身篭っていたソヒの解剖を免れないと悟り、すぐさまヨンジンを見捨てます。

 

오케이, 엄마 쪽은 손절

よし、母親は切る

 

友人である弁護士に解剖は免れないと聞かされるや否や、この発言。ヴィランながら、台詞回しが特徴的で中毒性のあるキャラクター。さすがチョン・ジェジュンとしか言いようがない瞬間の一つです。

 

왜 없는 것들은 인생에 권선징악 인과응보만 있는 줄 알까?

「貧乏人はどうして勧善懲悪や因果応報を信じるんだろう」

 

ドンウンを嘲笑ったヨンジンは結局、刑務所で報いを受けることになりました。監房でのヒエラルキー下位となった彼女は、他の囚人に言われるまま、かつてのようなお天気キャスターの真似事を強要されるのでした。

 

ドンウンの望んだ天罰ではなく、’神がヨンジンに味方した’刑罰が下されたのでした。視聴者としてはある程度満足のいく結末とも言えます。ドンウンにとっては、望んだ復讐だったとは言えないまでも、廃墟が完成したことで復讐も完成(終わりではない)したのでしょう。

ギョンラン

ドンウンが学校を辞めた後、次のターゲットとなったギョンランドンウンギョンランはあの頃、仲の良い友人でした。ドンウンがターゲットになったことでその友人関係は壊れてしまったのでした。

 

そして現在、ヨンジンと一緒に行動していたギョンランは、ドンウンを見て動揺します。パート1では背景の一部のようだったギョンランですが、パート2に入り重要人物となっていきます。

 

(引用: KINGKONG by STARSHIP公式インスタグラム)

 

ミョンオドンウンジェジュンの経営する’シエスタ’で会った時から、ドンウンに気づいていたギョンラン。’シエスタ’で働いており、ヨンジンの付き人もしているギョンランは、彼らのターゲットとして逃れることができず、現在まで利用され続けているようでした。

 

ギョンランは特にドンウンの味方というわけではありませんでした。学校暴力の被害者という意味で同じ立場ですが、2人の行動は全く異なります。ドンウンは人生を懸けて立ち向かい、ギョンランは怯えながら仕えています。現実で言えば圧倒的に後者が多いでしょう。ドンウンのような強さを持てる人間はそう多くいません。

 

ヨンジンミョンオワインボトルで殴打した日、バックヤードにはギョンランがいました。ヨンジン自身が殺してしまったと思い、動揺しその場を去りました。その後、ギョンランが扉を開けた時、ミョンオはまだ息をしていました。

 

トドメを刺したのはギョンランだったのです。そして彼女はミョンオ殺害の証拠であるワインボトルを回収しており、彼女から助けを求められたドンウンはボトルを受け取ります。

 

ドンウンもまた、特別ギョンランの味方ではありません。しかし、ギョンラン「あの体育館にいては駄目」と言って去ったドンウンには内面の強さを感じました。

 

イェスルハイヒールの色を聞かれたギョンランは、「緑に赤が混じっている」と言いました。これは、ヨンジンミョンオに最後に会ったときに履いていたハイヒールで、ミョンオの血が付いたことを示唆したセリフであり、彼女がそれを目撃したことを暗示しています。

ヨジョンの復讐

暗証番号を、父親を殺したカン・ヨンチョル囚人番号である3724に設定するほど、常にカン・ヨンチョルの方を向いているヨジョン復讐心。それに気づいたドンウンは、今度は彼の処刑人になることを選ぶのでした。

 

(引用: イ・ムセン インスタグラム)

 

道理の通じない理由で父親を殺されたヨジョンが、車内で一人泣き叫ぶシーンでは、その本心が車外に漏れることはありませんでした。

 

「復讐で取り戻せるのは栄光と名誉だけ」と言うヨジョンドンウンの復讐の行先を理解するヨジョンは、復讐を共にする処刑人でもありながら、その先に待つ救世主でもありました。

 

ドンウンの復讐が完成した今、次はドンウン処刑人として、カン・ヨンチョルに迫るヨジョンの復讐の始まりです—。

あの頃

学校暴力前後のドンウン同士のすれ違いの演出には涙でした…。あの頃の彼女たちを救うための戦い。それを手伝う者と阻む者。学校暴力はもちろん、社会悪全体を包括して描きながら、散らばることなくまとまった良作でした。

 

全員が癖のあるキャラクターだった本作。その中でもジェジュンの予測不能な言動には振り回されました。「気管支に良くないから最近の子は犬を飼わない」と、引越し業者に言われたジェジュン。犬を見る眼差しから、殺してしまうのでは?と推測されましたが、翌日、犬は綺麗にトリミングされていました😂本当に独特な倫理観を持ち合わせた人物でした。

 

許し難い暴挙の連続、倫理観の壊れた人間たちの共演。微かな希望のために見ることができた作品でした…。圧倒的悪を担う加害者5人と、ドンウンの母ヨンジンの母、そしてカン・ヨンチョル

 

それぞれの個性がぶつかり合うエンターテイメントの連続で、気がついたら見終わっていました。一気見に最適な作品です。

 

ヨンジンに宛てた手紙のセリフが差し込まれた本作では「ヨンジナ(연진아)」、「ジェジュナ(재준아)」、「ヘジョンア(혜정아)」というように、親しみを込めた呼びかけがシグニチャーでもありました。逸脱した思想の持ち主たちであるはずの彼らに、知り合いのような距離感を感じさせる不思議な演出でした。

 

(引用: NetflixKorea公式インスタグラム)

 

特にパク・ヨンジンを演じたイム・ジヨン。その素晴らしい表情演技に惹きつけられたことでしょう。目力と眉の動き、口の端の上がり方。ヴィランとして強烈な爪痕を残し、間違いなく彼女の出世作ともなりました。

 

(引用: イム・ジヨン公式インスタグラム)

 

2023年最初のヒットとも言える本作。しばらくは余韻に浸りそうです。

 

最後までご覧いただきありがとうございました!次の記事もお楽しみに!