こんにちは!HanFilmです🌸
今回紹介するのは、映画
『善惡の刃』
(原題: 재심”再審”)
ドラマ『椿の花咲く頃』のヨンシク役カン・ハヌルと、『応答せよ1994』のスレギ役チョンウの共演です!
基本情報
韓国公開 2017年2月15日
ジャンル ドラマ、クライム
上映時間 119分
制作会社 이디오플랜
監督 キム・テユン(김태윤)
あらすじ
刑事によって、殺人事件の犯人に仕立て上げられたチョ・ヒョヌ(カン・ハヌル)。10年後、出所したヒョヌの元に、業績の振るわない弁護士イ・ジュニョン(チョンウ)がやってくる。冤罪を晴らすため奮闘するジュニョンたちだが、法律に翻弄されていく—。
キャスト
チョ・ヒョヌ役 カン・ハヌル(강하늘)
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(引用: THエンターテイメント インスタグラム)
1990年2月21日生まれ。
出演作品
ドラマ
『深夜病院』、『相続者たち』、『ミセン』、『麗』、『アントラージュ』、『椿の花咲く頃』他。
映画
『君はペット』、『二十歳』、『セシボン』、『空と風と星の詩人 ~尹東柱(ユン・ドンジュ)の生涯~』、『ミッドナイト・ランナー』他。
弁護士 イ・ジュニョン役 チョンウ(정우)
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(引用: コ・アラ公式インスタグラム/写真左)
1981年1月14日生まれ。
出演作品
ドラマ
『悲しき恋歌』、『ルル姫』、『BAD LOVE~愛に溺れて~』、『シンデレラマン』、『素直に恋して~たんぽぽ三姉妹~』、『最高です!スンシンちゃん』、『応答せよ1994』他。
映画
『ライターをつけろ』、『同い年の家庭教師』、『レッド・ファミリー』、『セシボン』、『ヒマラヤ』、『王の預言書』他。
ヒョヌの母役 キム・へスク(김해숙)
1955年12月30日生まれ。
出演作品
ドラマ
『秋の童話』、『冬のソナタ』、『夏の香り』、『春のワルツ』、『アンニョン!コ・ボンシルさん』、『君の声が聞こえる』、『怪しい家政婦』、『ホテルキング』、『恋愛じゃなくて結婚』、『ピノキオ』、『あなただけが私の愛』、『師任堂、色の日記』、『耳打ち~愛の言葉~』、『イ判サ判』、『アバウトタイム~止めたい時間~』、『ナインルーム』、『バベル~愛と復讐の螺旋~』、『世界で一番可愛い私の娘』、『賢い医師生活』他。
映画
『家門の栄光』、『ひまわり』、『ファム・ファタール』、『10人の泥棒たち』、『ソウォン/願い』、『群盗』、『暗殺』、『王の運命-歴史を変えた八日間-』、『お嬢さん』、『トンネル 闇に鎖された男』、『黄泉がえる復讐』、『ハー・ストーリー』他。
モ・チャンファン役 イ・ドンフィ(이동휘)
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(引用: イ・ドンフィ公式インスタグラム)
1985年7月22日生まれ。
出演作品
ドラマ
『朝鮮ガンマン』、『アントラージュ』、『自己発光オフィス』、『応答せよ1988』他。
映画
『監視者たち』、『マルティニークからの祈り』、『泣く男』、『タチャ 神の手』、『ファッションキング』、『ベテラン』、『ビューティー・インサイド』、『花、香る歌』、『お嬢さん』、『LuckKey』、『コンフィデンシャル/共助』、『ワンライン 5人の詐欺師たち』、『ブラザー』、『エクストリーム・ジョブ』、『幼い依頼人』他。
刑事 ペク・チョルギ役 ハン・ジェヨン(한재영)
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(引用: THエンターテイメント インスタグラム)
1978年10月24日生まれ。
出演作品
ドラマ
『大風水』、『ミセス・コップ』、『品位のある彼女』、『バッドガイズ-悪い奴ら-』、『SAVE ME 2』、『風と雲と雨』他。
映画
『マルチュク青春通り』、『私の男のロマンス』、『ザ・ゲーム』、『チング 永遠の絆』、『江南ブルース』、『華麗なるリベンジ』、『ハッピーログイン』、『殺戮にいたる山岳』、『代立軍 ウォリアーズ・オブ・ドーン』他。
ファン係長役 パク・チョルミン(박철민)
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(引用: カン・ソウ インスタグラム/写真左)
1967年1月18日生まれ。
出演作品
ドラマ
『ベートーベン・ウィルス ~愛と情熱のシンフォニー~』、『美賊イルジメ伝』、『パートナー』、『No Limit~地面にヘディング~』、『天使の誘惑』、『ル~まだ結婚したい女』、『トキメキ☆成均館スキャンダル』、『ホテルキング』、『想像ネコ~僕とポッキルと彼女の話~』、『雲が描いた月明り』、『恋するレモネード』、『ピョンヒョクの愛』、『誰が何と言っても』他。
映画
『光州5・18』、『最高のパートナー』、『第7鉱区』、『ただ君だけ』、『ハナ ~奇跡の46日間~』、『朝鮮魔術師』、『悪女/AKUJO』、『潔白』他。
スジョン役 ジン・イェジュ(진예주)
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(引用: ジン・イェジュ公式インスタグラム)
1996年8月6日生まれ。
出演作品
ドラマ
『マイ・オンリー・ラブソング(ウェブドラマ)』、『インソウル(ウェブドラマ)』他。
ミュージックビデオ
『N.Flying - 봄이 부시게』他。
ク・ピルホ役 イ・ギョンヨン(이경영)
1960年12月12日生まれ。
出演作品
ドラマ
『夫婦の世界』、『ハイエナ』、『バガボンド』、『ミスティ』、『アルゴン』、『ハベクの新婦』、『ミセン』他。
映画
『白頭山』、『物の怪』、『テロ・ライブ』、『26年』他。
検事 チェ・ヨンジェ役 キム・ヨンジェ(김영재)
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(引用: キム・ヨンジェ インスタグラム)
1975年10月5日生まれ。
出演作品
ドラマ
『魔王』、『帝王の娘 スベクヒャン』、『最高です! スンシンちゃん』、『キレイな男』、『ヴァンパイア探偵』、『モンスター』、『シンデレラと4人の騎士』、『赤い月青い太陽』、『風が吹く』、『ハイエナ』他。
映画
『コースト・ガード』、『ワンドゥギ』、『優しい嘘』、『戦場のメロディ』、『顔のないボス』、『MR.ZOO:消えたVIP』他。
レビュー
薬村五叉路(약촌오거리)
2000年8月、バイクを運転していた不良息子のチョ・ヒョヌ(カン・ハヌル)は、人とぶつかりそうになって避けた拍子に転倒してしまいます。
そしてなんと、その場にいたタクシーから運転手の死体が発見されます。そんな中、ヒョヌのバイクからはナイフが出てきます。
刑事の取り調べ中の恐喝と証拠の改竄によって無実の罪を被り、服役することになったヒョヌ。
無料相談
業績の振るわない弁護士イ・ジュニョン(チョンウ)。利益を追求するジュニョンに任されたのは、無料相談でした。
ジュニョンは事務所のイメージアップ、そして自身の就職という利益のため、ヒョヌの事件を担当することになります。
闘争心のあるジュニョンに、人生を取り返したいヒョヌは、全財産を相談料として手渡します。
あの日現場にあったバイクのナイフは、バイト仲間のスジョンが防衛として人を殺さないために、ヒョヌが隠した物でした。
説得され刑事宛に手紙を書いてしまうヒョヌ。減刑のために罪を認めさせるというのは、常套手段ですね。
真犯人
事件の3年後、群山(グンサン)で真犯人を知っていると、犯人の友人から通報が入ります。
令状の棄却という上の命令に、憤慨する群山警察署のファン係長。そしてあっさり釈放された犯人。警察と検察は隠蔽と改竄を隠そうと必死でした。
スジョンに証人になることを拒否され、他の目撃者を探すジュニョンたち。見つけた目撃者は、警察に行ったもののまともに取り合ってくれなかったと言います。
法
そんな話をしている最中に、突然やってきた警察に逮捕される目撃者。刑事の職権濫用です。
ヒョヌに自白を強要した上に、10年後にも相変わらず暴力を続けているペク刑事。
突然やってきて目撃者を連れて行った警察、なんと友人のチャンファン(イ・ドンフィ)による密告だったと判明します。
昔自白強要させられたモーテルで、同じことが起こるのを阻止しようとペク刑事を襲撃するヒョヌ。
ジュニョンが助けに行き、その後ようやく再審が行われた場面で映画は終了します。
どの国でも絶える事のない「冤罪」。こうしている今にも何人もの罪なき市民が監獄で生きているかもしれないのです。
タクシー運転手殺人事件
本作はフィクションですが、実際の事件がモチーフとなっており、フィクションにしてはかなり現実を反映している作品です。
実際の事件は「益山薬村五叉路タクシー運転手殺人事件(익산 약촌오거리 택시기사 살인사건)」であり、劇中と同じ2000年8月に発生した事件です。
暴力
韓国ノワールにありがちな警察による自白強要などの暴力ですが、70、80年代の民主化運動に際し、独裁政権下で行われたという印象が強いです。
事実、そうした警察の拷問により死亡したケースは1つや2つではありません。しかし、2000年に入ってもなお行われていたということがかなり衝撃ですね。
真実
真犯人の友人による密告、そしてその友人の自殺、警察の自白強要など、かなり事実に忠実な脚本であることがわかります。
本作でパク・チョルミン演じる当時群山署にいたファン・サンマン刑事は、実際に、物証として凶器の捜索のため令状を申請しましたが棄却され、さらに現実では、刑事から地区隊に左遷までさせられているのです。
そして警察の暴力に関しては、なんと映画よりも酷い拷問を行ったというのが事実なのです。映画は大抵誇張されて描かれるものですが、まさか事実の方が酷いとは衝撃です。
罪
「冤罪」というスキャンダルは、組織全体の罪であり、権力者はそのダメージを回避しようとするものです。
法を扱う警察、検察、そして弁護士は、市民の味方であると同時に「冤罪」という罪を犯す犯罪者ともなり得るのです。
そしてその冤罪という罪を着せられた市民は、本来市民が守られるべき法律に裏切られるのです。
最初ビジネスとしてカネのために動いていた弁護士イ・ジュニョンが、正義感のみで突き進むのは、やや映画的な演出でしたが、問題提起としては効果的だったのではないでしょうか。
実際の事件は2016年11月に、再審でようやく無罪判決が言い渡されました。映画のモデルとなったチェ氏は、すでに10年間服役した後でした。
本作は2017年2月公開、つまりその撮影中は再審前だったのです。ミレニアム以前ではなく現代にも続く悪を描いた作品として、実際の捜査の隙や組織悪を見せてくれる映画でした。
映画『善惡の刃』レビューいかがでしたか?次回の記事もお楽しみに!