こんにちは!HanFilmです🌸
今回紹介するのは映画
『リトル・フォレスト』
原題: 리틀 포레스트
基本情報
公開日 2018年2月28日
監督 イム・スンレ
ジャンル ドラマ
制作 映画社スイカ
配給 MEGABOX
上映時間 103分
キャスト
へウォン役 キム・テリ(김태리)
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(引用: キム・テリ インスタグラム)
1990年4月24日生まれ。
所属事務所(2021年現在)
J,WIDE COMPANY
出演作品
ドラマ
『ミスター・サンシャイン』他。
映画
『お嬢さん』、『1987、ある闘いの真実』、『スペース・スウィーパーズ』他。
ジェハ役 リュ・ジュンヨル(류준열)
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(引用: リュ・ジュンヨル公式インスタグラム)
1986年9月25日生まれ。
所属事務所(2021年現在)
C-JeS エンターテイメント
出演作品
ドラマ
『恋のスケッチ〜応答せよ1988〜』、『運勢ロマンス』他。
映画
『ソーシャルフォビア』、『グローリーデイ』、『ザ・キング』、『タクシー運転手〜約束は海を越えて〜』、『沈黙、愛』、『毒戦』、『スピード・スクワッド ひき逃げ専門捜査班』、『金の亡者たち』他。
ウンスク役 チン・ギジュ(진기주)
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(引用: チン・ギジュ公式インスタグラム)
1989年1月26日生まれ。
所属事務所(2021年現在)
FL ENT
出演作品
ドラマ
『ポンダンポンダン』、『2度目の二十歳』、『水曜日午後3時30分』、『ミスティ〜愛の真実〜』、『ここに来て抱きしめて』、『初対面で愛します』他。
映画
『ミッドナイト』他。
ていねいな暮らし
都会の荒波に揉まれ、田舎に帰ってきたへウォンのていねいな暮らし。
余計な音がなく、静かで美しい四季。そして素朴だけれど美味しい料理たち。
少しずつ少しずつ癒されていく、ヒーリング映画です。
原作は、五十嵐大介の漫画『リトル・フォレスト』。日本では2部作で実写映画化。そして2018年、韓国でも実写映画化されました。
劇中で外せないのが料理。日本人に人気の韓国料理といえば、チーズタッカルビやサムギョプサルなど、濃い味付けや激辛料理が多いですが、本作では、素材の味を活かした、素朴でシンプルな料理が出てきます。
韓国ならではの料理は、見た後きっと再現したくなるはず。そして、鍋の煮える音、美味しそうに食べる音、どれもが食欲をそそるASMR🤤
また、季節と共に歩む本作は、1年かけて撮影され、四季の温度感や植物、野菜の成長など、リアルな映像となっています。
疲れ果てたへウォンと共に季節を歩き、気づけばお腹が空いている、そんな映画です。
美味しい人生
ここからは、料理と共に季節を巡っていきましょう!
冬
冬、しんしんと降り積もる雪の中、静かな故郷に帰ってきたへウォン(キム・テリ)。
白菜テンジャンチゲ(양배추 된장국)
田舎に帰ってきたへウォンは、ストーブを焚き、冷え切った部屋を温めます。
お腹を空かせて畑に向かい、雪の下から白菜を収穫し、チゲを作ります。
スジェビ(すいとん)と白菜チヂミ(수제비국과 양배추전)
薪割りに励むへウォンの元に、親友のウンスクがやってきます。
お腹が空いて帰ってきたの
나 베고파서 내려왔어
ジェハ(リュ・ジュンヨル)は就職したものの、帰郷し果樹園を始めていました。
ウンスクは農協で働いていて、都会暮らしに憧れています。
教員を目指していたへウォン。ソウルでは試験勉強をしながら、コンビニ弁当を食べる日々。
ふと冷蔵庫を見ると腐ってしまった果物が少しだけ。「お腹が空いて帰ってきた」という言葉は本当でした。
ヘウォンが寂しくないようにと、ジェハが置いていってくれた子犬オグと暮らし始めます。
ヘウォンは元々この村の出身。高校まではこの村で育ちました。
そうして暮らしていたある日、高校から帰宅したへウォン。家にはもう誰もいませんでした。
あまりに突然母は出ていってしまったのです。
そんな昔を思い出すへウォン。休みの日に揃った幼馴染3人。
三色餅(삼색팥시루떡)
小豆をじっくり煮詰め、米粉、かぼちゃ粉、ヨモギ粉を敷き詰めたら、色鮮やかな三色餅の完成です。
シッケとマッコリ(막걸리)
母との思い出の詰まったマッコリ。
シッケには麦芽、マッコリには麹が使われ、同じ米から大人の味と子供の味が誕生します。
手作りのマッコリ片手に3人で晩酌しながら、チヂミをつつきます。
春
答えを求めるへウォンは、春になってもまだ村にいました。
じゃがいもを植え、わらびを収穫します。
食用花のパスタ(파스타)
春の花々の彩りの美しいパスタ。
料理をするたび思い出される母の姿。自分を置いて出て行った喪失感と、懐かしさ、寂しさが入り混じる不思議な気持ちです。
お好み焼き(오코노미야키)
キャベツのチヂミ(양배추 밴댓떡)を作ろうかという母に困惑する幼いへウォン。
木を削ると言い出した母。必死で止めるへウォンでしたが、木だと思ったそれは鰹節でした 。
回想される思い出の中の母は、いたずらに笑っているのでした。
たまごサンドウィッチ(달걀 샌드위치)
春キャベツでもう一品、たまごサンドを作ります。
縁側で食べていると郵便局のおじさんがやってきます。
久しぶりに送られてきた差出人も住所も書かれていない手紙。
母からの手紙には、行方や近況などでなくジャガイモパンのレシピが書かれていたのでした。
花と野菜の天ぷら(튀김)
花の天ぷらがいい音を立てて揚がります。
夏
夏のうだるような暑さの中、雑草に悪戦苦闘するへウォン。
ウンスクの仕事の鬱憤を、軽くあしらうへウォンに、へそを曲げたウンスク。
クレーム・ブリュレ(크렘 브륄레)
仲直りのため作ったクレーム・ブリュレ。
それも昔、母が作ってくれた思い出の味でした。
高音注意報が出され、農作業を切り上げてシャワーを浴びたヘウォン。
コングクス(콩국수)
縁側で扇風機に当たりながら食べるのは、さっぱりとしたコングクスです。
日本では夏といえば冷やし中華や素麺が定番ですが、韓国ではコングクスです!
コングクスは、豆乳スープに麺を入れた麺料理です。
へウォンの高校時代、大きなトマトをかじりながら父親の話をするへウォンと母。
自由気ままな母の、真っ直ぐ口にはしない思いが垣間見えます。
回想が終わり現在、夜になって川でジェハとカワニナ(巻貝)を取るへウォン。
チラッと映る弁当も美味しそうです。
ジェハは「自分の人生は自分で決めたい」
と答えを出して帰ってきたのでした。
「逃げたのではなく戻った」
同じことのようでありながら、へウォンにとっては天と地ほどの差があるのです。
秋
すっかり黄金色の稲の中を自転車で疾走するへウォン。
都会で様々なストレスに耐えるだけだったへウォンとジェハ。そんな2人はそれぞれの事情で帰郷しました。
トッポッキ(떡볶이)
同僚の皆とカラオケに行った時、ムカつく部長をタンバリンで殴ったウンスク(笑)
その話をしながら、へウォンの家でトッポッキを作ります。
ウンスクの匙加減で思いがけず激辛になったトッポッキを食べる3人。
辛くて涙が出ると言うジェハ。元カレと会った後にやってきたジェハのその涙は、辛さからではありませんでした。
栗の甘露煮(밤조림)
栗を収穫するへウォン。煮込んで、すじを取りまた煮込んで、砂糖漬けにします。
雨上がりの田んぼでは、稲が倒れてしまっていました。
被害を受けたのはそこだけではなく、ジェハの果樹園のリンゴも多くは落ちてしまいました。
体は疲れるが心は楽だ
멈은 힘들어도 마음은 편하다
ジェハの言うこの言葉は、田舎暮らしの真実です。
冬
干し柿(곶감)
忙しくしていれば問題が解決するのか、というジェハの辛辣な言葉がへウォンには刺さります。
厳しい冬が来ることは大切だと言っていた母。
へウォンにとっての「小さな森」である故郷。心に思い浮かべられる帰る場所があることは、大切なことです。
定植とは、苗の植え替え作業のこと。へウォンはその準備をしているようだとジェハとウンスクは話します。
本格的な冬の訪れを示す甘い干し柿。
それが出来る頃、ソウルに戻ったへウォン。小さな定食屋で働きます。
春
また春が来て、へウォンは村に戻ってきました。
玉ねぎグラタン(양파 그라탕)
田舎に帰るや否や玉ねぎを収穫し、グラタンを作ります。
しっかりと定植の準備をしたへウォンは、故郷に根差すことができたようです。
いかがでしたか? 自転車で疾走する風が吹き抜けるような、土や雨の匂いがするような、
冬の厳しい寒さや、ストーブの温度が伝わってくるような、
縮こまっていた身体の隅々をゆっくりとほぐしてくれる、五感で楽しむことのできる映画です!
日本版とは一味違った韓国の四季、そして料理を堪能できる作品なので、ぜひご覧ください😊
次の記事もお楽しみに!