こんにちは!HanFilmです🌸
前回の記事はこちら↓
今回は映画『ビューティー・インサイド』の映像美について語ります!
映像美はもちろん、映像監督がレンズを通してどう表現するか、ということが重要になりますが、そもそも空間作りが大部分です。
映画『パラサイト』で美術監督が、半地下の空気感を再現するため、現場にハエを放ち、生ゴミを置くなど工夫したという話があります。
そうやって空間を作っていくわけですが、『ビューティー・インサイド』においても、そんな背景となる重要な空間づくりに、いくつかキーワードがあります。
映画を支える3つのキーワード
一つずつ見ていきましょう😊
背景というには素敵すぎる家具
突然ですが、私は韓国の近年のデザイン業界のセンスが大好きです❤️
ウェブデザインについて考えてみると
- シンプルかつおしゃれなフォント
- 絶妙な色遣い
- 洗練されたイラスト
などが素敵なものが多い印象です☺️
また雑貨やファッションを見ても、色や形のシンプルさが最高!(独断と偏見)
映画やドラマを見るとき、ファッションやメイクにも注目するように、家の間取りや家具にも目が行ってしまう私ですが、本作は物語を取り巻く「街づくり」が最高でした✨✨
まず、イスの働く家具店「ママスタジオ」の撮影地となった、仁川にある
CAFE VALOR
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(引用:CafeValorインスタグラム)
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(引用:CafeValorインスタグラム)
たびたびミュージックビデオの撮影に使用されるおしゃれなカフェですね。広い空間に無数に置かれた素敵な家具。2人の出会いの場所となる特別な空間ですね✨
映画中では、暖かな木材で作られた曲線の美しい家具がたくさん登場しました!
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(引用:Kaareklint Furniture公式インスタグラム)
その多くがKAARE KLINTという韓国ブランドのもの。
弘益大学家具学科出身の作家たちが2010年に設立した、ハンドメイドと100%環境に優しい家具にこだわったブランドです。
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(引用:Kaareklint Furniture公式インスタグラム)
映画に協賛するだけでなく、企画段階から制作に参加し、監督らスタッフと話し合い、既製品やカスタム製品を使用。
また、KAARE KLINTの家具製作工場でも撮影が行われ、映画の隅々に素敵な家具を見ることができます!
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(引用:Kaareklint Furniture公式インスタグラム)
特にウジンの部屋に設置されたベッドとソファは、「ビューティー・インサイドベッド」、「ビューティー・インサイドソファ」と呼ばれ、問い合わせが殺到したそう!
公式ホームページはこちら↓
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(引用:Kaareklint Furniture公式インスタグラム)
温かみのある洗練された家具、見ているだけで癒されます…。
「イスの部屋は理想だなあ」と映画を見るたびに思っています(笑)
そしてウジン(パク・ソジュン)とのおうちデートで出てくるあのサウンドテーブル!!!
KaareKlintの公式Facebookで製作図らしきものがアップされていましたが、販売はされていない様子…。
売っていたらすごく欲しいですね!(笑)もはや作りたいレベル。一日中テーブルから離れられなくなりそうですが(笑)
各局のドラマ内でも提供されることの多いこちらのブランドの家具、もしかしたらあなたの見たドラマでも使われているかも!?
世界観を包み込む自然光
映像美を語る上で外せないのが光です。ウジンの工房や家でのイスとの日常を描くシーンはとても美しく印象に残っています。その中でも晴れの日に部屋に差し込む光の効果が顕著です。
季節によってもその光の印象は違ってきますが、秋冬の晴天の爽やかさって、なんだか言葉には表しがたい空気を纏っていませんか?
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(引用:Kaareklint Furniture公式インスタグラム)
2人の常に変化する心情の中で、珍しく穏やかなウジンの家でのシーン。自然光の柔らかさと木材の温かみがマッチして、心地よい空間を作り出しています。
厳選されたOST
最後にOSTです。韓国ドラマでは日本のドラマと違い、主題歌だけでなく何十という多くの楽曲が、劇中至るところで流れますよね。
また最近は、昔に比べてOSTが豪華になったなあと感じます。映画ではドラマほど多くの楽曲は使用されませんが、物語の注目ポイントです!
この作品では2曲の素晴らしい音楽が彩りを添えています。
一つ目は
主題歌となった
Citizens!のTrue Romance
物語のあらゆる場面で登場した割とアップテンポな一曲。監督は歌詞を含め、映画の主題である「愛の本質」を完璧に表現しているとして起用したそう。
この曲を聴くと、私も映画を見ながら2人と一緒に悩み、楽しみ、幸せを感じ、葛藤してしまいます。ウジンとイス、2人の人生が動き出すような、躍動感のある曲ですね。
そしてもう一曲は
Amapola
です!
1924年にスペインの作曲家ホセ・ラカジェによって発表され、世界中でカバーされる名曲です。劇中では、ホセ・ラミレスというギターで演奏された音色に言及していましたね。
本作のOSTでは歌詞のないギターver.と、オーケストラver.が出てきました。
アコースティックギターの音色は本当に癒されますよね…。映画の柔らかな雰囲気ともすごく合っていました!
天気の良い日でも、疲れた日でも、イヤホンをつけて目をつぶると、また何度でも『ビューティー・インサイド』の優しい世界に戻れる気がします!オススメのリラックス方法です(笑)
最後に
映像美について語ってまいりましたが、最後に。
タイトル通りの「内面の美」とはどういうものでしょうか?
私たちは、当たり前に自分の顔と身体がありますが、自分の身体がもし、魂の入れ物でしかないと考えると、なんだか不思議な気分になります。
私たちの使う、男、女、子供、大人、老人、外国人、イケメン、美女、という言葉。それらは外見で判断されますよね。
そのすべてになるウジンのアイデンティティとは、何によって定義されるのでしょう。
物語の見どころでもある様々なウジンたち。そして対照的なイスの存在。毎日変化したのは果たして、ウジンだけだったのでしょうか。
主人公の苦悩も描かれますが、それよりもウジンの存在によって揺れ動く、イスの姿が重点的に映されました。
街の中で電話するシーンがありました。「僕を見つけて」と冗談まじりに言うウジンでしたが、この場面ではイスの不安が前面に出ていました。
ウジンがイスを見つけない限り、イスにとってウジンは透明人間のように、どこにも存在しないような脆い存在でしかないということ。
その瞬間のイスには、まるでウジンが忽然と消えてしまったような虚無感が襲ったことでしょう。
イスにとってウジンはその日一日しか一緒にいられないぎこちない存在でしたが、そうして半強制的に「内面」と向き合うことが、物語の本質だと感じました。
恋愛ドラマのような甘い部分だけでなく、愛することの葛藤も多く見えた作品として、ファンタジーと言い切ってしまうにはあまりに惜しい作品です。
また、ウジンとイスの互いへの愛情だけでなく、アイデンティティを見つめる自己愛にも、自然にフォーカスしていました。
主要キャストの多さが破格的な本作ですが、よく考えてみると、母親、親友、会社の同僚以外には誰も出てこないですよね。ウジンとイスというたった2人の物語です。
登場人物が少なく人間関係がシンプルながら、多様性に満ちた、唯一無二の作品です。
さて、全4回に渡って紹介してきました『ビューティー・インサイド』、いかがでしたか?
見たことのない方は、見たくなりましたか?
見たことのある方も、また見たくなったでしょうか。
脚本、キャスト、背景まで、魅力たっぷりの映画ですよね。
男女の恋愛という枠を軽々と超えて、人間としての愛の在り方や変化が見事に描かれていました。
晴れて気分の良い休日や、お休み前日の疲れ切った夜、部屋の掃除を頑張ってキレイになった部屋で(笑)、ぜひ見てほしい作品です!
最後まで見ていただきありがとうございます❤️
次回の記事もお楽しみに!!😁
映画『ビューティー・インサイド』は現在、U-NEXTで視聴可能です🎬
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本ページの情報は2020年9月時点のものです。
最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。
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