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【韓国映画】『82年生まれ、キム・ジヨン(82년생 김지영)』(2019) ネタバレありレビュー 1/2

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こんにちは!HanFilmです🌸

 

さて、今回は映画『82年生まれ、キム・ジヨン』

ネタバレありレビューです😊 

 

 

 
 
 
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(引用:キム・ミギョン公式インスタグラム)

 

 

ジヨンの生きる世界

精神科に相談に来たデヒョン。この時点でカウンセラー女性なので、原作とは違うエンディングになることが予想できます。

 

一方、娘を連れて公園に来たジヨン。近くにいた会社員から、ジヨンに浴びせられる、母親業を甘く見た言葉は残酷です。

 

コーヒーを飲みながら一息つくジヨンが楽に見えたでしょう。人の人生の一瞬を見て判断してしまう、そんな社会の闇です。

 

男性だけでなく女性も、結婚して楽したいと吐露します。同じ女性である未婚女性の一言もまた、母親とは違う視点を持つ人間として、攻撃になってしまうのです。

 

育児による腱鞘炎で、病院に行ったジヨン。ここでも母親業を顧みない、無神経な医者の発言。

 

人間は皆、母のお腹から生まれてくるのに、それなのに理解されない、世の母親たちが日々受けている視線です。

 

デヒョンは気遣いから、実家行きを止めようと提案しますが、義理の家族という関係は、そんなことで解決するほど単純ではないのです。

 

里帰りし、皿洗いをしようとするデヒョン母親が言う「現代的な旦那ね。」と言うのは、「嫁は私の息子に家事をさせるのね」という嫌味ですね。

 

義母のプレゼントする銀行でもらったエプロンは、主婦としてジヨン家に縛りつける圧力のようなものです。

 

正月デヒョンの実家で、くつろぐ家族とリンゴを剥くジヨン。帰ろうと準備しているところへ、デヒョン姉家族帰郷します。

一人目の憑依 母

義母に向かって、「あなたは娘が帰ってきて嬉しいでしょう。私も娘に会いたいですよ。娘を帰してください。」と言うジヨンジヨンの実母の登場です。

 

憑依という形で表現される本音ですが、本当に痒いところに手が届く言葉たちばかりです!

 

それゆえに泣いてしまうんです。現実では、それを言うことは容易ではないから。

 

ジヨンの実家で、弟ジソクは男として女兄弟の中で生きる苦悩を嘆きますが、自分が男性として得をしている自覚がないというのが現実です。

子供時代

「女の子は静かでおしとやかにしなさい」と言う父方の祖母の言葉。

 

長男は駆け回り、長女と次女は机を拭く。そんな何気ない日常も、時代の作り上げた産物です。

 

「あなたのために言っているのよ」を免罪符に言いたい放題の父方の祖母ですが、結婚をしていても、していなくても、親戚が集まれば必ずこんな会話が飛び交いますね。

独身時代のジヨン

望んでいた企画チームに入れてもらえなかったジヨンチーム長産後1ヶ月で復帰し、母親と同居し、娘を見てもらっています。

 

それを聞いた男性社員は、嫁の親と住む旦那はすごいと言います。ここでも子育てに対する女性と男性の視点の違いが大きく見られます。

 

当然のようにお茶汲みをする女性社員たち。いまだにそういう風潮は存在します。

 

お茶汲みでないにしろ、書類のコピーや雑用は無意識に女性に押し付けられている場面があります。

 

会議中のやり取りで、子育てに失敗する場合は母親が悪い、と言われるキムチーム長

 

祖母(チーム長の母)に預けていると言うチーム長に対し男性上司は、子供には母親が必要だと返します。笑いに変えてごまかすチーム長

 

言い返さずに堪えるチーム長がもどかしいですが人間関係に敏感な会社員の現実です。言い返してもどうにもならないのです。

 

結婚と育児があるから、女性のあなたに長期プロジェクトは難しいと言うチーム長に対し、独身時代のジヨンは、チーム長のように上手く出来ると豪語します。

 

しかしチーム長の言葉の真意を、現在のジヨンは知っています。

 

社会で弱者として扱われないために気を張って、母親でありながら働くことは、本当に厳しいのです。

無意識の意識

仲の良いヘスに、デヒョンはよく手伝ってくれると言うジヨン

 

手伝うという表現を指摘されます。これは女性にさえ浸透してしまった、育児のあり方の現実です。

 

近年「イクメン」という言葉も見直され始めていますが、意識しなければ気にならないということ自体が問題なのです。

 

こうやって知らないうちに社会に溶け込んでいる感覚を正すのは、想像以上に大変なことですね。

 

ヘスの昇進を祝うジヨンですが、男性社員は前年に皆昇進したと聞かされます。女性の昇進が遅いという現実も垣間見えます。

デヒョンの職場

休み時間の屋上。「n番部屋」のようなチャットを見る男性社員がサラッと登場します。そこに事件性を感じない男性たち。これもまた問題ですね。

 

家に帰ると家族奉仕しなければいけないと嘆く同僚。映画を見ていて、思ったことの一つ、デヒョン優しすぎる

 

もちろんそこにも意図がありますが、この同僚のように既成の感覚に疑問を持たない人も多いです。

良き夫デヒョン

家に帰り、洗濯物を畳むジヨンを、酒を片手に見るデヒョン

 

悪意のないこのシーンも、それが「普通」であるという人々の意識を反映しています。

 

アルバイトしてみようかと言うジヨンに、やりたくない仕事をしなくていいと反対するデヒョン。この時、ジヨンは何を思ったでしょうか?

 

もしかしたらジヨンがアルバイトをしようと思ったのは、夫の稼いだお金で暮らす、という意識から逃れるためだったかもしれません。

 

もちろん、それを夫に責められるわけではないけれども、養われているという意識から、自分のアイデンティティを救うためだったのでは?

 

最後までご覧いただきありがとうございます!

 

後半、次の記事に続きます!😁

 

 

原作本はまた違う結末なので、そちらも要チェックです👍🏻👍🏻

 

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