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【韓国映画】#2 『82年生まれ、キム・ジヨン(82년생 김지영)』ネタバレなしレビュー

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こんにちは!HanFilmです🌸

 

今回紹介するのは、2020年10月9日から日本公開を控える映画

『82年生まれ、キム・ジヨン』

(原題:82년생 김지영)

 

 
 
 
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(引用:キム・ミギョン公式インスタグラム)

 

この映画、泣くと思ってなかったんですが、やられました。

 

映画が泣かせに来ているというよりも、私たちの生きているこの世界が泣けるのか…。

 

いろいろな要素が混ざり合って意味深い作品になっているので、紹介したいと思います!

 

「n番部屋事件」や相次ぐ盗撮事件など、男性中心的な社会が問題となっている韓国。近年、フェミニズムへの関心が高まっています。

 

そんな韓国社会をテーマに、妙にリアルな現実を剥き出しで描き、話題となっているベストセラー

 

チョ・ナムジュ作家の長編小説『82年生まれ、キム・ジヨン』。そんな話題作が2019年、映画化されました。

 

日本でもじわじわと話題になってきている韓国文学

 

自身の生き方を見直すようなエッセイが、次々と邦訳され出版される中で、フェミニズム長編小説という、フィクションでありながらノンフィクションでもある、痛烈な一作です。

 

そんな小説の映画化は、キャストが豪華だとも話題になりましたが、それよりもフェミニズムという、センシティブなメッセージ性に対する批判が相次ぎました。

 

映画公開前からフェミニズム反対派の男性たちによると見られる、低評価の書き込みで作品の評価を下げる「評価テロ」や、出演者に対するバッシングなどが続き、

 

NAVER映画サイトでのネチズン評価では、公開当時、男女で評価が大きく分かれました。

 

※公開当初は極端な評価、反応がありましたが、2020年8月現在、Naverでの評価は男女ともにとても高いです。

 

このように賛否両論な本作。私は原作も読了済みなのですが、小説の最後が皮肉で終わったように、映画も意図せずして、社会の反応とセットで皮肉な結果になりました。

 

しかし、よく考えてみるとその批判も含め著者の思い通りというか、「そういうとこだよ!!」と、言いたいことを体現してしまっている、おかしな状況にも思えますね。

 

そんな話題作について、こちらの記事では、極力ネタバレなしで書いていきます。

 

基本情報

韓国公開 2019年10月23日

ジャンル ドラマ

上映時間 118分

監督   キム・ドヨン(김도영)

制作会社 봄바람영화사

 

 

あらすじ

1982年の春に生まれたジヨン(チョン・ユミ)は、かつて、キャリアウーマンに憧れ、社会人生活を送っていた。30代になった彼女は子育てや家族関係に疲弊しながらも、それなりに幸せな毎日を送っていた。

そんなある日、ジヨンに突然、別人が乗り移ったかのように振る舞う謎の症状が現れる。夫であるデヒョン(コン・ユ)は、そんな妻の異変に気づき、精神科へ相談に行く。その後もたびたび、「ジヨンではない誰か」が現れるようになるのだが―。

 

キャスト

キム・ジヨン役 チョン・ユミ(정유미)

 

 
 
 
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(引用:チョン・ユミ公式インスタグラム)

 

1983年生まれ。

 

出演作品

ドラマ

『ロマンスが必要』、『恋愛の発見』、『ライブ』他。

映画

『愛する少女』、『トガニ 幼き瞳の告発』、『新感染 ファイナル・エクスプレス』他。

 

最近だと、ドラマ『ライブ』での、現実主義者ながら真摯に仕事に向き合うハン・ジョンオ役が印象的でした。

 

また、2020年9月25日から日本のNetflixでもドラマ『保健教師 アン・ウニョン』が配信予定。こちらも小説原作で、SFチックでありながら現実社会を反映している作品なので要チェックですね!

 

TMI

最初、映画のポスターが公開されたとき、チョン・ユミではなくキム・ジヨンかと思いました。実際には特に似ているわけではないんですが、不思議ですね(笑)

チョン・デヒョン役 コン・ユ(공유)

 

 
 
 
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(引用:ManagementSoop公式インスタグラム)

 

1979年生まれ。

 

出演作品

ドラマ

『学校4』、『乾パン先生とこんぺいとう』、『コーヒープリンス1号店』、『トッケビ~君がくれた愛しい日々〜』他。

映画

『あなたの初恋探します』、『トガニ 幼き瞳の告発』、『男と女』、『新感染 ファイナル・エクスプレス』、『密偵』他。

 

日本でも大ヒットした『コーヒープリンス1号店』、そして『トッケビ』に主演し、人気を博しています。

 

柔和で大人な雰囲気から、恋人役としてキャスティングされることの多い俳優さんですが、映画『トガニ 幼い瞳の告発』では、性的虐待を受ける子供たちのために奮闘する教師、カン・イノを熱演。

 

映画『トガニ 幼い瞳の告発』、原作を読んだコン・ユ本人の希望で映画化に漕ぎつけ、映画の影響を受け、虐待に関する「トガニ法」なるものまで制定されました。そんな、社会問題にも真剣に向き合い表現を続ける彼の熱演、必見です。

ジヨンの母 ミスク役 キム・ミギョン(김미경)

 

 
 
 
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(引用:キム・ミギョン公式インスタグラム/写真右から2番目)

  

1963年生まれ。

 

出演作品

ドラマ

『19歳の純情』、『相続者たち』、『大丈夫、愛だ』、『また!?オ・ヘヨン』、『彼女の私生活』、『ハイバイ、ママ!』、『サイコだけど大丈夫』他。

映画

『シークレット・サンシャイン』、『ただ君だけ』、『8番目の男』他。

 

言わずと知れた国民の母ですね!!

韓国の母親らしさがいつも滲み出ています。ときにおせっかいで小言を言い、ときに優しく見守る母…。どの作品にも欠かせない女優さんです。

 

最近ではドラマ『ハイバイ、ママ!』チャ・ユリ(キム・テヒ)の母親役を演じ、『サイコだけど大丈夫』にも出演していました。

 

さて、作品を楽しむための、

5つの注目ポイント

はこちら!

 

  1. 三度目の共演

  2. 「日常」となってしまった男女差別

  3. 男性からだけではない、女性からの視線

  4. 夫チョン・デヒョンを通して見る世界

  5. ジヨンだけではない 物語の主人公

三度目の共演

お気づきの方もいると思いますが、チョン・ユミコン・ユは今回で共演はなんと三度目なんです!

 

まず最初の共演は映画『トガニ  幼き瞳の告発』でした。

美術教師カン・イノ(コン・ユ)と、人権運動センターのソ・ユジン(チョン・ユミ)が、性暴行と虐待に立ち向かう、実話に基づいた社会派映画となっています。

 

 
 
 
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(引用:コン・ユ ファンインスタグラム)

 

共演2作目となった映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』。日本でもパニック映画として注目されました。常々、韓国映画の邦題には疑問を感じている私ですが、このタイトルはダントツでびっくりでした😂

 

 
 
 
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(引用:ManagementSoop公式インスタグラム)

 

ファンドマネージャーとして働くソ・ソグ(コン・ユ)が乗り込んだ釜山行きのKTXで起こるゾンビパンデミックという、ぶっ飛んだ設定のパニック映画です!チョン・ユミは劇中で妊婦を演じていますが、夫役はなんとマ・ドンソク!(笑)

 

 
 
 
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(引用:ManagementSoop公式インスタグラム)

 

彼らが電車内を逃げ惑う姿は、手に汗握ります。他の映画ではなかなか見られない奇抜な設定ですよね。こちらの映画には、『パラサイト』チェ・ウシクや、元WonderGirlsアン・ソヒなども出ていますので、見ていない方はぜひ😁

 

 
 
 
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(引用:ManagementSoop公式インスタグラム) 

 

そして3度目の共演となった本作『82年生まれ、キム・ジヨン』

主人公キム・ジヨンを演じたチョン・ユミ

 

エネルギッシュなイメージの強い彼女ですが、本作では、リアルな30代の姿をさらけ出しています。専業主婦として必死に子育てする日々。化粧っ気はなく、どこかくたびれている。

 

かといって人生に絶望しているわけではなく、日々それなりに幸せに過ごしている。なんだか現実ってそんなものだなと思わされます。

 

そんなジヨンの夫、チョン・デヒョン役のコン・ユ社会悪ゾンビと闘ってきた彼ですが、本作では、キム・ジヨン同様「顔のない」存在と言えるかもしれません。

 

一家の大黒柱として働くごく普通の会社員。むしろ、妻を全力で支えるその姿は、現実では「珍しい」のかもしれませんが…。

 

この2人の夫婦役、とてもよかったです。物語の中心は夫婦関係だけではありませんが、それぞれの人付き合いを通して描かれる韓国社会のリアルは興味深かったです。

 

また、本人の思っている善意が必ずしも相手にとっての善意とは限らないのだと、夫婦関係とそれを取り巻く人間関係、社会の構図を通して訴えています。

「日常」となってしまった男女差別 

何があっても進んでいく人生という時間。そんな中で直面する様々な「違和感」

 

何かあっても「時間が解決してくれる」とよく言いますが、そうやってやり過ごしてきたジヨンの幸せとは、果たして本当の幸せなのか?

 

劇的な事件が起こるわけではなく、淡々と過ぎていく日々の記録。その中に私たち全員の人生が垣間見えるのです。

 

男性優位的な就職選考、職場でお茶汲みをする女性社員、専業主婦。人生の選択をするずっと前からそこにあったもの。あまりにも当たり前になってしまったこと。

 

「妻、母、娘」そんな肩書きなしに、「私」として生きていくということが、なぜこんなにも難しいのか。生まれてから少女時代を経て、社会に出て、母となる。

 

そんな女性たちの人生年表をなぞるように、それぞれの年代の現実を映し出しています。

男性からだけではない、女性からの視線 

本作では、ジヨンが初めて社会人生活を送った会社、夫の勤める会社など、会社という外の社会での女性への風当たりの強さが随所に映し出されます。

 

そして、本作で描かれる内の社会、家庭。そこで描かれるのが「親の干渉」です。夫婦間の問題に干渉する親は、たびたび問題視されますよね。

 

「息子のため」などという名目で、嫁にああだこうだ言う(結果的に嫁いびりですが…)姑という構図は、一体いつから存在するのでしょう?

夫チョン・デヒョンを通して見る世界 

主人公ジヨンの夫として登場するデヒョン。一生懸命働きながら、献身的に妻を支える、一見理想の夫にも見える彼。

 

現実的な社会での夫婦関係を客観的に見て、その姿に違和感を覚える人も多いでしょう。しかし、よく見ていくとあることに気づきます。

 

一貫して妻を思いやる夫という立ち位置にいる彼ですが、デヒョンの実家では、その「思いやり」から実母に対してジヨンは大変なんだから、僕が皿洗いをするよ」と言うのです。

 

その時のジヨンの表情と言ったら、世の何人の女性が共感することか…!決して無神経ではない、むしろ思いやりに溢れた夫だからこその言葉。言葉は言葉通りに作用しないこともあるのです。

 

とはいえ、デヒョン「良き夫」として描かれたのは、フェミニズム「男性嫌悪」と言って、片付けてはならないという意図からかもしれません。

ジヨンだけではない 物語の主人公 

タイトルからしても、キム・ジヨンが主人公ですよね。それは事実ですが、映画を見た後には、ジヨン母や姉、女性上司、同僚、多くの隠れた主人公の存在に気づくことになります。

 

ジヨン「憑依」する女性たち。ジヨンが代弁する女性たちの叫びの、そのタイミングにたびたび泣かされます。

 

ここからはネタバレなくして語れない…!!ので

次回に続きます!お楽しみに😊

 

 

原作は違う結末なので、そちらも要チェックです👍🏻

 

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