こんにちは!HanFilmです🌸
今回紹介するのは、映画
『金子文子と朴烈』
原題:박열(パク・ヨル)
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(引用: チェ・ヒソ公式インスタグラム)
基本情報
ジャンル 時代劇、恋愛、伝記
公開日 2017年6月28日
上映時間 129分
制作 朴烈文化産業専門有限会社
配給 メガボックス
監督 イ・ジュンイク(『王の男』他)
(2021年12月7日現在、U-NEXT、AmazonPrimeなどで配信中です!)
あらすじ
1923年、東京。関東大震災後の混乱の中、朝鮮人虐殺事件が起こる。事件隠蔽のため、日本政府に目をつけられたのはアナキスト朴烈(パク・ヨル)と金子文子だった—。
キャスト
朴烈役 イ・ジェフン(이제훈)
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(引用: イ・ジェフン公式インスタグラム)
生年月日
1984年7月4日
所属事務所(2021年現在)
カンパニーオン
出演作品
ドラマ
『ファッション王』、『秘密の扉』、『シグナル』、『明日、キミと』、『輝く星のターミナル』、『ムーブ・トゥ・ヘブン-私は遺品整理士です-』他。
映画
『建築学概論』、『パパロッティ』、『悪魔の倫理学』、『探偵ホン・ギルドン』、『アイ・キャン・スピーク』、『狩りの時間』他。
金子文子役 チェ・ヒソ(최희서)
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(引用: チェ・ヒソ公式インスタグラム)
生年月日
1986年12月24日
所属事務所(2021年現在)
サラムエンターテイメント
出演作品
ドラマ
『レインボーロマンス』、『H.I.T. -女性特別捜査官-』、『今日みたいな日なら』、『スキャンダル:非常に衝撃的で不道徳な事件』、『アントラージュ』、『ミストレス~愛に惑う女たち~』、『愛と笑いの大林洞〜ビッグフォレスト〜』、『秘密の森2(特別出演)』、『今、別れの途中です』他。
映画
『重量ガールズ キングコングを持ち上げろ!』、『愛のバトン』、『空と風と星の詩人 ~尹東柱の生涯~』、『オクジャ』、『アワ・ボディ』、『ただ悪より救いたまえ』、『アジアの天使』他。
水野錬太郎役 キム・イヌ(김인우)
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(引用: エイピックエンターテイメント インスタグラム)
生年月日
1969年2月20日
所属事務所(2021年現在)
エイピックエンターテイメント
出演作品
ドラマ
『帰ってきたファン・グムボク』、『ミスター・サンシャイン』、『緑豆の花』、『RUGAL/ルーガル』、『マイネーム: 偽りと復讐』他。
映画
『グッドモーニング・プレジデント』、『食客2 優しいキムチの作り方』、『マイウェイ 12,000キロの真実』、『ハナ ~奇跡の46日間~』、『カンチョリ オカンがくれた明日』、『暗殺』、『お嬢さん』、『空と風と星の詩人 ~尹東柱の生涯~』、『軍艦島』、『ハーストーリー』、『工作 黒金星と呼ばれた男』、『ザ・バッド・ガイズ』、『殺人鬼から逃げる夜』他。
立松懐清役 キム・ジュンハン(김준한)
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(引用: キム・ジュンハン インスタグラム)
生年月日
1983年3月29日
所属事務所(2021年現在)
ホドゥ&Uエンターテイメント
出演作品
ドラマ
『刑務所のルールブック』、『神のクイズ:リブート』、『ある春の夜に』、『朝が明けるまで』、『賢い医師生活』他。
映画
『コンフィデンシャル/共助』、『軍艦島』、『辺山』、『ハー・ストーリー』、『麻薬王』、『わが国の語音』、『藁にもすがる獣たち』他。
ホン・ジンユ役 ミン・ジヌン(민진웅)
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(引用: ミン・ジヌン インスタグラム)
生年月日
1986年8月22日
所属事務所(2021年現在)
スタジオサンタクロースエンターテイメント
出演作品
ドラマ
『ヨンパリ~君に愛を届けたい~』、『ミセス・コップ2』、『おひとりさま~一人酒男女~』、『ジャグラス~氷のボスに恋の魔法を~』、『アルハンブラ宮殿の思い出』、『チョコレート: 忘れかけてた幸せの味』、『誰も知らない』、『御史とジョイ』他。
映画
『ファッション王』、『奴が嘲笑う』、『プリースト 悪魔を葬る者』、『空と風と星の詩人 ~尹東柱の生涯~』、『特別捜査 ある死刑囚の慟哭』、『善惡の刃』、『七年の夜』、『マルモイ ことばあつめ』他。
イ・ソク役 クォン・ユル(권율)
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(引用: クォン・ユル公式インスタグラム)
生年月日
1982年6月29日
所属事務所(2021年現在)
サラムエンターテイメント
出演作品
ドラマ
『走れサバ!』、『私に嘘をついてみて』、『ブレイン 愛と野望』、『普通の恋愛』、『いとしのソヨン』、『優雅な女』、『天使の罠』、『ゴハン行こうよ シーズン2』、『もう一度ハッピーエンディング』、『耳打ち』、『ボイス2、3、4』、『ヘチ 王座への道』、『ダリとカムジャタン』他。
映画
『ビースティ・ボーイズ』、『最悪の一日』、『殺戮にいたる山岳』、『月光宮殿』、『ファイティン!』他。
布施辰治役 山野内 扶
生年月日
1970年7月20日
所属事務所(2021年現在)
不明
出演作品
映画
『ラスト・プリンセス 大韓帝国最後の皇女』、『麻薬王』、『隊長キム・チャンス』、『ハーストーリー』、『自転車王オム・ボクドン』、『王の願い ハングルの始まり』他。
時代背景
1923年の東京を舞台にした本作。日本統治時代の厳しい差別と貧困の渦中に生きるアナキスト朴烈(パク・ヨル)と愛人となる金子文子の物語です
アナキストとは
劇中で主人公の朴烈と金子文子が名乗る「アナキスト」。Anarchy(アナーキー)、つまり無政府主義を支持する人のことです
一見反逆者などのイメージが強い存在ですが、日本統治時代におけるアナキストの主張はむしろ、現代であれば多数派と思わざるを得ない側面もあります
朴烈(ぼくれつ)事件
朴烈と金子文子が、天皇暗殺を企てたとして大逆罪で捕らえられた事件です。本作のポスターにある2人の姿は、実際に出回った「怪写真」に似せたものです
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(引用: チェ・ヒソ公式インスタグラム)
謎が多い事件ですが、彼らの処遇に関して政治的思惑が働いた、という説が有力視されています。死刑判決を受けたのち、天皇の名の下に恩赦が言い渡されるものの、2人ともがそれを拒否したとされています
関東大震災
言わずと知れた未曾有の大災害。それを自然災害としての側面でなく、震災後の社会情勢に着目して触れた作品は珍しいです
震災当時、「朝鮮人が井戸に毒を入れた」などのデマにより、自警団が朝鮮人を虐殺する事件が実際に起こりました
災害の混乱に乗じた卑劣な差別行為。朴烈と金子文子はその混乱と、政治的思惑に巻き込まれていくのでした…
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(引用: チェ・ヒソ公式インスタグラム)
金子文子
無籍者として波瀾万丈な人生を送った金子文子。彼女の勇姿は現代人にも響くものがあります。9歳で朝鮮に渡り忠清北道で暮らした彼女は、居場所のない日々を送り自殺まで考えるほどでした
そんな彼女は、環境と時代に翻弄されたものの、アナキストとして強く生きた人物として知られます。社会主義、アナキズム等々、社会への強い思いを探究し、逆風の時代にあって、弾圧に屈することのない姿は非常に印象的です
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(引用: チェ・ヒソ公式インスタグラム)
日本語力
金子文子を演じた女優チェ・ヒソの日本語が素晴らしい!日本語の発音はもちろんのこと、日本人訛りの韓国語が上手いのがすごい
幼少期を日本で過ごし、アメリカ、そして韓国へ戻ったという彼女。5ヶ国語を話すことができるそうで、他言語はわかりませんが、少なくとも日本語はネイティブレベルです。やはり幼少期に習得する言語はレベルが違うようです。発音が完璧でした
他作品での日本人役は、異常に上手い人が多くても1、2人という印象でしたが、本作は日本語の堪能な韓国人が多いです。それも第二外国語としての上手さではなく、ネイティブの域!
特に日本統治時代の日本人は常に悪く描かれるため、それを日本人が演じることにはいささか問題が…ということでほとんどの場合、韓国人が演じることになりますね
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(引用: チェ・ヒソ公式インスタグラム)
水野錬太郎役のキム・イヌは、宮城県仙台市生まれの在日韓国人3世です。2008年に韓国に渡り、多くの作品で日本人を演じているので、日本語が堪能なことに納得!栗原一男役のハン・ゴンテ。彼も在日韓国人3世の俳優です
キム・イヌは、ドラマ『ミスター・サンシャイン』では伊藤博文役でした。ついでに言えば『ミスター・サンシャイン』でツダ役だったイ・ジョンヒョンも本作に出演。流石にこのようなテーマの作品となると出演者は被ってきますね
ドラマ『賢い医師生活』のキム・ジュンハンも日本人役!こちらもかなり上手いです。バンドIZIのドラマー出身の彼は、日本での活動経験から日本語を学んだことがあるそうです。それにしても発音が良い…
日本人役の中には何人か日本人もいるので、思わず「日本語上手い」(当たり前)と思ってしまうことも😂
そんな彼らの頑張りのおかげで、他作品と比べると言語の障壁なく、非常に物語に入り込みやすかったです
日本の描かれ方
韓国のエンタメとしての日本人の描かれ方というのは非常に興味深いものです。それがフィクションであれ、そこには彼らの目線が大いに反映されているわけです
日本統治時代を描く作品のうち、反日的なストーリーがどうしても多い中で、本作には韓国人の味方となる日本人が何人か登場します
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(引用: チェ・ヒソ公式インスタグラム)
それは当時でこそ少数派であれ、立松懐清(キム・ジュンハン)などは、実在の人物でもあります。彼らの存在は、迫害的な社会の中で日本政府関係者の中にも少なくとも正義があったのだと思わせます
あくまでも対日本「政府」的なプロットであり、日本人全員が悪人として描かれるわけではなく、日本人にも見やすい作品になっています。政治的な強いメッセージを持ちながらも、強く深い愛の話…
ストーリーの真偽云々ではなく、歴史を知る足掛かりとして見ておきたい。そしてどうしても魅力的なチェ・ヒソ演じる文子の生き様をぜひ見てほしい作品でした
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(引用: チェ・ヒソ公式インスタグラム)
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