こんにちは!HanFilmです🌸今回紹介するのは韓国ドラマ『アンナ(안나)』です!
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(引用: キム・ジュンハン インスタグラム)
基本情報
ジャンル ヒューマンドラマ、ミステリー、スリラー
話数 全6話(監督版 全8話)
放送期間 2022年6月24日〜7月9日
制作 コンテンツマップ
チャンネル CoupangPlay
ストリーミング AmazonPrimeVideo(日本/2022年9月現在)
脚本 イ・ジュヨン(『エターナル』他)
原作 長編小説『親密な異邦人』チョン・ハナ著
あらすじ
小さな嘘から始まり、全く他人の人生を生きることになったユミの、アイデンティティの喪失と葛藤を描く。
キャスト
イ・ユミ/イ・アンナ役 ペ・スジ(배수지)
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(引用: ペ・スジ公式インスタグラム)
生年月日
1994年10月10日
所属事務所(2022年現在)
マネジメントSOOP
出演作品
ドラマ
『ドリーム・ハイ』、『ビッグ〜愛は奇跡』、『九家の書』、『あなたが眠っている間に』、『むやみに切なく』、『バガボンド』、『スタートアップ: 夢の扉』他
映画
『建築学概論』、『花、香る歌』、『白頭山大噴火』、『ワンダーランド』他
イ・ヒョンジュ役 チョン・ウンチェ(정은채)
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(引用: チョン・ウンチェ公式インスタグラム)
生年月日
1986年11月24日
所属事務所(2022年現在)
KEYEAST
出演作品
ドラマ
『我が家の女たち』、『ドクターフロスト』、『リターン-真相-』、『客-ザ・ゲスト-』、『ザ・キング: 永遠の君主』、『パチンコ』他
映画
『超能力者』、『へウォンの恋愛日記』、『自由が丘で』、『王の涙 イ・サンの決断』、『ザ・テーブル』、『ザ・キング』、『安市城 グレートバトル』他
チェ・ジフン役 キム・ジュンハン(김준한)
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(引用: キム・ジュンハン インスタグラム)
生年月日
1983年3月29日
所属事務所(2022年現在)
Hodu&Uエンターテイメント
出演作品
ドラマ
『神のクイズ: リブート』、『刑務所のルールブック』、『時間』、『ある春の夜に』、『賢い医師生活』他
映画
『サンセット・イン・マイ・ホームタウン』、『Herstory』、『金子文子と朴烈』、『藁にもすがる獣たち』、『王の願い ハングルの始まり』、『Re-LOVE』、『辺山』、『麻薬王』、『茲山魚譜 チャサンオボ』他
ハン・ジウォン役 パク・イェヨン(박예영)
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(引用: パク・イェヨン インスタグラム)
生年月日
1989年8月22日
所属事務所(2022年現在)
同異カンパニー
出演作品
ドラマ
『アビス』、『霊魂修繕工』、『テバク不動産』、『海街チャチャチャ』、『調査官ク・ギョンイ』他
映画
『ソーシャルフォビア』、『スピード・スクワッド ひき逃げ専門捜査班』、『めまい 窓越しの想い』他
論争
CoupangPlayオリジナルとして全6話で放送された本作ですが、監督の許可なしに編集されたということで騒動になっています…。そして現在は、元々放送された全6話のバージョンに加え、ディレクターズ・カット版として全8話の方も公開されています。
真相はどうあれ、イ・ジュヨン監督の作品として視聴したかったので、全8話のディレクターズカット版を選択しました。個人的には今年見た中でかなり上位に来る作品でした☺️
本記事では、最初に年代を追って整理してから、ポイントごとにまとめていきます!
ポーカーフェイス
1986年
貧しい家庭で育ったイ・ユミ。幼少期のとある夫人との出会いから、ピアノや英語を習うことに。その夫人からこう教えられます。
「他人に本心を見せてはならない」
結果的にこの幼少期の出来事が、ユミの人格形成に大きな影響を与えたことは疑いようがありません。
1994年
バレエを習うユミは、秋のコンクールで「エスメラルダ」という演目を披露し、賞を獲得します。
1999年
大学入試を前に絵画教室に通うユミですが、絵は決して上手くありません。学年トップの成績のユミは、文系ではなく、どうしても美大に行くと言います。自分にあった道に進むのではなく、「心に決めたらやり遂げる」という信念が強くなっていきます。
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(引用: ペ・スジ公式インスタグラム)
高校で音楽の先生との交際がバレた時、先生はユミが先に迫ってきたのだと言い逃れをします。そのせいで強制退学を余儀なくされ、夜逃げすることになってしまったユミ。
浪人時代
2000年
ユミの嘘:大学への合格
大学入試で不合格となったユミ。この挫折を受け入れられないユミは、父親からの電話で咄嗟に合格したと嘘をついてしまいます。
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(引用: ペ・スジ公式インスタグラム)
志望していた大学に通うハン・ジウォンとの出会いから、嘘を重ねていくユミ。大学生だと偽り過ごすうち、高卒クラスにも出なくなり結局二浪することになります。
予備校の先生からは、大学のレベルを下げるよう勧められますが、イヒョン女子大に行くと心に決めたユミには、他の選択肢はありません。ユミの人生は嘘で塗り固められていきます。
ユミの嘘:語学留学
交際していた彼が留学に行くことになり、ユミは語学留学に行くと両親に嘘をつきます。渡航当日、彼の母親の電話から、イ・ユミが大学に在籍していないことが彼にバレ、破局してしまいます。
そんな中、ピアノ、バレエ、絵画教室等々、ユミのやりたいことのために尽力し、語学留学の費用まで工面してくれた父親が亡くなります。
彼女の自信につながっていた事柄は、ある側面から見ると彼女の努力の賜物ですが、違う側面から見ると、親からの経済的援助の結果なのでした。生活のために就職を考えるユミは、アルバイトをいくつも掛け持ちしてお金を稼ぎます。
マレとイ・ヒョンジュ
2007年
「マレ・コレクション」で学歴不問の職を見つけ働くことになったユミ。お金持ちの家で事務職として採用され、雑務をこなす日々が始まります。
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(引用: ペ・スジ公式インスタグラム)
仕事帰りにバスから目撃した国宝崇礼門の火事。2008年に実際に起こった放火事件がモチーフだと思われますが、煙から火が燃え広がる様子は、ユミの将来を暗示していたのかもしれません。ちなみにこの放火事件で崇礼門は完全に焼失しました。
2010年
若い理事であるイ・ヒョンジュの身の回りの世話をするユミは、3年目にしてヒョンジュの個人情報を管理しています。
そしてその冬ユミは、虐げられ続ける職場環境に耐えかね、売上金を盗んで姿を消します。職を失い久しぶりにジウォンと連絡を取るユミ。ジウォンから、美大の予備校講師の職を紹介されます。
イ・アンナの誕生
2011年
ユミの嘘:経歴詐称
ヒョンジュが結婚を機に渡米することを聞き、イ・アンナと名乗ることにしたユミは、実際に改名を行います。その後地元で、昔バレエを習っていた時の友人と再会したユミ(アンナ)は、生活レベルの差に優越感を覚えます。
2013年
とんとん拍子で生涯学習センターの授業を任されたアンナ。教授の紹介でIT企業の社長チェ・ジフンと出会います。初めて会ったラウンジのデザインについて意見を求められたアンナは、なぜ家具が全てイミテーションなのかと返します。ジフンに選ばれたという意味では、アンナがイミテーションの人生を送っていることを暗示していたのかもしれません。
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(引用: キム・ジュンハン インスタグラム)
チェ・ジフンの妻
2015年
チェ・ジフンと結婚したアンナは、大胆にもヒョンジュの出身校であるイェール大の同窓会に出席します。この行動が後に騒動の引き金になります。
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(引用: キム・ジュンハン インスタグラム)
2016年
アンナはついに学部の授業まで任されます。ジフンと出席した式典で急遽手話通訳をすることになったアンナは、世間での知名度と好感度を一気に手に入れます。
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(引用: ペ・スジ公式インスタグラム)
そんな中、アンナとジフンの暮らすマンションで、なんとアンナが経歴を盗んだその相手、マレの理事イ・ヒョンジュと鉢合わせし、彼女が上の階に住んでいることを知ります。衝撃を受け連絡した元同僚のソヌから知らされたのは、マレの業績悪化と離婚でヒョンジュが苦労しているという話でした。
ヒョンジュと鉢合わせないために、23階の自宅までヘトヘトになりながらも階段を使うようになったアンナでしたが、結局は同窓会に参加したことがヒョンジュにバレてしまいます。対価として30億ウォンを要求されたアンナは、追い詰められていきます。
政界進出を目論むジフンは秘書を雇います。チョ・ユミ。アンナは名前の同じ彼女を昔の自分と重ねます。
小さな会社から大手のポグク日報に移籍したジウォンは、ユミ(アンナ)の元カレであるジェホからユミの正体を知らされます。
信じた瞬間嘘も真実になる
믿는 순간 거짓도 진실이 된다
ジウォンの中で「真実」だったことが、バラバラと崩れていきます。彼女は彼女の信念に従って、ユミの過去について調べ始めます。
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(引用: パク・イェヨン インスタグラム)
当選前夜
2017年
ユミの正体を知っていくジウォンは、ポグク日報からのスカウトがユミの口利きによるもので、自身がコネ入社だったのだと知ります。
ヒョンジュの嘘:学歴詐称
そして調査を進める中で、ヒョンジュの論文代筆問題が浮上します。ユミが盗んだアンナの経歴さえもお金で買われたニセモノだったのです。アンナ自身、嘘をついてその場所にいるわけですが、彼女は嘘をつくだけではなく、嘘を信じてしまう側でもあったのでした。
テレビの自殺報道からヒョンジュの死を知るアンナ。頭の中、地下駐車場でヒョンジュと対話します。地獄は空間ではなく状況だと言う空想の中のヒョンジュ。
「本当に望んでいたかどうかは手に入れてみればわかる」
手に入れたアンナとしての人生。それは、ユミが望んだ人生ではありませんでした。
償い
ジフンの隠していた元妻と子供の存在を知ったアンナ。元妻もヒョンジュも、事故や自殺ではなくジフンによって消されたのでした。その後「ヒョンジュとジウォンへの償い」として、ジフンの悪事の証拠を集めたデータをジウォンに渡します。
ジフンは、アンナが裏金を受け取っていたことを知り精神病院へ送ろうと考え、息子を迎えに行くと言い、アンナと共に渡米します。
道すがら、それは口実でアンナを精神病院で療養させるためだと明かします。ジフンの運転する車は、道の途中で鹿を轢きそうになり、それを避けようとするジフンでしたが、アンナが故意にハンドルを切ったことで看板に激突します。身動きが取れず助けを求めるジフンをよそに、アンナは携帯の電波を求めます。
そこへジウォンから作戦の失敗を知らせるメッセージが届き、アンナは落胆しますが、身につけていたスカーフに火をつけ、ジフンの乗った車に放り込むのでした。
車のラジオから流れるのはバレエの演目「エスメラルダ」の解説です。
私は心に決めたら必ずやり遂げる
난 마음먹은 건 다 해요
社会的な復讐には失敗したものの、物理的に目的を遂げたアンナでした。
2018年
カナダの村で中国人としてひっそりと暮らしているアンナ。彼女は誰なのか、どこから来てどこへ向かうのか、誰も知りません。
1996年の彼ら
ディレクターズ・カット版の随所に入れられた主要人物たちの若き日の姿。そこには、彼らの行動原理が映ります。
ヒョンジュ
バイオリンに身が入らないヒョンジュ。レッスンの間ずっと態度の悪かったヒョンジュは、講師が部屋を出ていくとバイオリンを叩き壊してしまいます。自分の感情に素直に動くヒョンジュは、問題が起こっても金の力で解決できると考えています。実際に大人になってからユミと対峙した際にも、問題が解決しなければそれは金額が足りなかったせいだという主張をするほど、富への信頼が厚い人物です。
ジウォン
正義感の強いジウォンは、高校で教師の体罰を受けながらも信念を曲げませんでした。痛みを伴おうとも自分の信条を曲げない、根っからの記者気質が伺えます。そしてそれは、富と権力を持つ者に嫌われる正義でもあるのでした。
ジフン
除隊したジフンが両親と対面する姿が描かれます。貧しさで病気の母を亡くしたことで、父親のような無能さと貧しさを憎むようになったジフン。政界への進出を通じて、有能さと富をアピールするようになります。
若い頃の経験は、彼らの人生全体に影響を及ぼしています。そして、その流れはどれも必然のように見えますが、実際にはその選択に個性が出ています。
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(引用: チョン・ウンチェ公式インスタグラム)
ヒョンジュのケースでは、両親も同じように富と権力を保持しているために、自制心を養う場所を与えられず育った結果だと言えるでしょう。
ジフンの場合は最初、真っ当な方法で家計を立て直そうと努力しましたが、結局その努力は実ることなく母親を亡くしました。そこで彼の努力の方向性は変わってしまったのでした。
後半に続きます!↓